続いてはQプラスリポート、今回は金城さんのリポートです。嘉手納町の小さなお店で作られるかりゆしウェアの魅力を取材してきました。
針に素早く糸を通し、手際よく生地を縫い合わせていくのは上原文江さん。60年以上、縫製の仕事に携わてきました。
上原文江さん「相手の方が満足して『これは良いよ』と(言ってくれる)これが私の肥やしです」
もとは地元中学校の制服指定店として夫、敏男さんとスタートさせました。18年前に敏男さんが亡くなった時、閉店も考えましたが、当時サラリーマンだった息子の均さんが加わり、小さなお店は今もフル稼働。現在は幼稚園に通う遊び盛りの子どもたちの制服なども手掛けています。
光の子幼児学園与那覇弘美園長「ボタンにしろ布地にしろ私たちの思いを全て取り入れてくれた制服のデザインが今子どもたちが着用しているデザインだと思っています」
地元の人々に愛されるこの店で人気なのが手作りのかりゆしウェアです。
リピーターも多く、好みのデザインや、顔だち、体系から、ひとりひとりに合った1着をつくります。
常連徳田博之さん「全く同じものを着ている人とあったことありませんので。そういう意味で私に合わせて作って頂いてるというところが一番気に入っているところです」
文江さん「どこにいっても恥ずかしくないような色合いそれからデザイン。それはいつも考えています」
この日、お店を訪れたのは、嘉手納町連合青年会の仲村さん。会員でかりゆしウェアをそろえたいとやってきました。実は、仲村さんが着ている、この赤いかりゆしウェア。10年前にこのお店でつくったものなんです。
嘉手納町連合青年会仲村龍也さん「自分が高校2年生の時に、(県外への)修学旅行があって何か沖縄のものを着けていきたいなというときにかりゆしウェアが思い浮かんで父に勧められて一緒にこっちに来たんですよ」
均さん「今でもそうだけど目がギラギラしていたし。お父さんがこの子は一度言ったら聞かないよという話しからそれじゃあわかったということで」
文江さん「いや~本当に懐かしいよ涙が出る」
今回のテーマは嘉手納町をアピールできるかりゆしウェア。デザインは、ほぼ均さんにお任せすることになりました。
この日はデザインした生地ができあがる日・・・。の予定でしたが、なにやら行き詰っているようです。
均さん「なんとか嘉手納町(の文字)を被せてやろうかなと思ったんだけどちょっとこれは浅はかだったなというのがテストプリントしてわかったという。デザインを白紙に戻してちょっとやってみようというところなんです」
納得のいくデザインができるまで、悩みぬきます。納品まであと1週間です。
生地ができあがりました。嘉手納町の花、ハイビスカスをあしらった華やかなデザイン。嘉手納町の全6区を6色で表現しました。納品まであと2日。時間が迫る中、丁寧に黙々と縫い上げます。
受け渡しの日。当日ギリギリまでかかってなんとか全員分のかりゆしウェアが完成しました。
均さん「(Q渡す時ってドキドキしますか)いつもドキドキしますよ。気に入ってくれるかなとかね」
青年会のメンバーが集まり、仕上がったばかりのかりゆしウェアに袖を通します。
青年会メンバー「どう?爽やかに見える?あはは。」「思ってたより似合っているかもしれない」
仲村さん「嘉手納町のイベントにも自信をもって着ていけるような感じなのですごく気に入ってます」
均さん「ほっとしました。デザインをどうしようかな~と悩んだときは、どうなるかなと思ったけど」文江さん「いろいろなかりゆしウェアが今出回っていますけどね。沖縄らしさ、そして若い人に着てほしいですね」
これからも親子2人3脚、心のこもった1着を縫い合わせていきます。