東京などで数々の舞台を手掛けてきた有名演出家がきのう沖縄を訪れ、演劇教室を開催しました。沖縄の演劇人たちは、いったい何を掴んだのでしょうか。
おととし、東京で公演された「木の上の軍隊」。終戦を知らずに2年間ガジュマルの木の上で過ごした2人の兵士を描いた作品です。この舞台を演出したのが栗山民也さん。きのう7年ぶりに沖縄を訪れ、演劇教室を開きました。
栗山さん「相手が必ずいるわけだ。そのことを想定して読んでみて」
今回はプロ、アマチュア問わず、高校3年生から30歳までの11人が参加し、ひとつの朗読劇を作り上げます。テーマは広島に原爆が落とされた日。その日はなんの変哲もない夏の日でした。
「小さな女の子が数を数えています」「ひとつ、ふたつ、みっつ、もうええか?」
栗山さん「暗いな~。遊んでんだろ?ひとーつ、ふたーつ、嬉しくてしょうがない。お兄ちゃんとうわ~ってやってる、そのさなかにバーンとくるわけだ」
「青空が裂けて天地が砕けた」「爆発から一秒後の火の玉の温度は1万2000℃だった。太陽の表面温度は6000℃だから、町の上に太陽がふたつ並んだことになる」
栗山さん「この朗読劇の裏側にどのくらいの人間の死が待ち構えているか。どのくらいの人間の生きるっていう喜びへの執着が隠れているかっていうのを読み取ってください」
なにげない一言にも感情があり、それをどう表現するかは役者次第です。
栗山さん「音楽面では明らかに沖縄でしょ。その才能が開花しているわけだから。きっと俳優部門においても、なにかきっかけがあれば、いろんなところでジャンプできるんじゃないかなと思います」
参加者「自分は普段古典芸能をやっていて、表現しない美があるんですけど、表現することを求められているので、新鮮な感覚と学びが多いです」「難しく考えるんじゃなくて、簡単な言葉で言っていくので、こんな風に考えればいいんだっていうこともできたし。この3日間で良いところを吸収しまくりたいと思います」
本番はあさって土曜日。沖縄の演劇人たちの試行錯誤は続きます。