家に旅行者を泊める「民泊」が今年6月から全国で本格的に解禁されるのをご存じでしょうか?ホテル不足や空き家対策として期待される「民泊」。しかし無許可の「ヤミ民泊」が広がり近隣住民とトラブルもあるそうです。解禁を前に観光立県・沖縄はどう対応するのでしょうか?
観光客増加によるホテル不足で日本人、外国人問わず「民泊」の利用が高まっています。
「民泊」にはホームステイのような「家主居住型」や自分が使っていない部屋を貸す「家主不在型」などの方法があります。
気軽に誰でもできると思ったら意外と厳しいルールがあるんです。民泊を始めるにはどうしたらいいのでしょうか?
保坂さん「こんにちは~、よろしくお願いします」
東京都出身の保坂さん奥武島で民泊を始めるために、去年、こちらに移住してきました。
保坂さん「(Q:民泊を始める際に必要なものは?)消防からの指導でこちらの装置を付けるよう言われました」
今回、保坂さんが「民泊」を始めるにあたってサポートしたのが株式会社七色の大城さんです。
株式会社七色・大城さん「(Q大城さんの会社はどんな会社?)元々リフォーム会社だった。民泊向けにリフォームしたいという案件が増えてきまして、1年ほど前に専門のサイトを支援できたらいいなということで『沖縄民泊』というサイトを立ち上げました」「支援として民泊向けのリフォームから始めて、旅館業の許可の申請の仕方お手伝いさせて頂く」
消防や保健所の検査をクリアし、旅館業法の許可を取得先月から営業をスタートしています。
オーナーの保坂さんが考える「民泊の魅力」とは?
保坂さん「(Q民泊に期待することは?)奥武島の生活、島の温かさ、団結力、南城市の地産のものを味わって頂きたい」
さて、VTRでもご紹介しましたが、宿泊料をもらい人を泊める場合は『旅館業法』の許可が必要なんです。ルールが厳しいため無許可の「ヤミ民泊」が増えているんですね。
そして今年6月には民泊新法が施行され、本格的に民泊が解禁されますどういう点が変わるかというと、行政の許認可を得る必要がなく地元自治体にネットで届け出、住宅専用地でも営業が可能など、規制が緩和され、一気に拡大する可能性もあります。
ただ自治体が条例で民泊に独自の規制を設けることを容認したため、地域で解禁の度合いに差が出る可能性があります。沖縄はどうなのでしょうか?
先月の県議会で民泊に関する条例が採決されました。
条例で規制されるのは住宅専用地域のうち、第1・2種低層区域が宜野湾市や浦添市など11市町、中高層区域が名護市や沖縄市など10市町となります。
株式会社七色・大城さん「(Q:県の条例について)何か問題が起きた時に県とか国、保健所も指導できない、対処できないということから、届け出てくださいという条例」
条例の目的を理解しつつも課題もあると言います。
株式会社七色・大城さん「(新法で)緩和されると言われていて、すごく期待を持っている方も多いと思うのですが、(県の条例で)残念なのが、用途地域で結構な制限が掛かってしまった市町村が多い」
県がこのように規制をする背景には去年、那覇市が行った調査で市内の民泊のおよそ8割が無許可だったことが挙げられます。
ただ、「民泊」は今問題となっている空き家対策になるだけでなく、人を呼び込むことで地域振興を図ることができます。実際、浦添市では民泊を活用して地域振興を目指す『民泊推進都市宣言』を全国で初めて行いました。
沖縄は観光県だからこそ、地域の人と観光客がいい関係になる制度になってほしいです。