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翁長知事シンポジウムで講演 ペリー元国防長官も

訪米中の翁長知事はワシントンDCで講演し、国際情勢が変化する中で進む新基地建設に疑問を投げかけました。シンポジウムにはおよそ100人の研究者や報道関係者が出席しました。

講演で翁長知事は、日米安保体制の重要性を今もよく理解していると述べたうえで、基地負担の過重な部分に反対しているという点を強調して、負担軽減につながらない新基地建設断念を求める理由を説明しました。

翁長知事は、「普天間基地が返還されて、どれだけ減るかというと(全ての在日米軍基地の)0.7%なんですね。私が反対しているのは0.7%に反対しているわけで、日米安保を十分に理解しながら、沖縄の基地をできるだけ少なくしてくれ」と訴えました。

出席者からは、新基地建設の遅れで普天間のリスクが残るとした意見もあがりました。これに対し翁長知事は、普天間が一番危ないが、実際に近年ヘリが落ちたのは北部だとして、新基地に移転しても狭い沖縄本島には危険が残るとの見方を示しました。

ところでシンポジウムでは、1990年代、北朝鮮の核開発危機に対処した第19代国防長官のペリー氏も登壇。普天間基地の兵力について、北朝鮮有事の際に即応するためのものだが、全体の軍事計画の中での貢献度は低い、と述べました。

普天間基地の県外移設や海兵隊の県外移転が進まない背景については、時間やコストの問題を挙げたほか、「どこでも同じ問題が起こる」と軍事施設特有の「引き取り先のない迷惑施設」の側面を指摘。

こう着状態が20年以上続くこの問題の先行きを暗に示していました。