結果は門前払いでした。
辺野古の埋め立て工事をめぐり、県が国に対し岩礁破砕を伴う工事の差し止めを求めた裁判で、那覇地裁は県の訴えを却下しました。
この裁判で、県は、辺野古の埋め立て工事について、海底の「岩礁破砕」を伴う工事には知事の許可が必要だとして、国が許可なく工事を行うことを差し止めるよう求めていました。
これに対し、国は、そもそも県の訴えは法律上の争いにあたらず、また、名護漁協が現場海域の漁業権を放棄し漁業権が消滅したため「許可は必要ない」と反論していました。
13日の判決で那覇地方裁判所の森鍵一裁判長は「法律上の争訟として裁判所の審判の対象となるものではない」と国の主張を全面的に認め、実質的な審理に入ることなく、県の請求を却下しました。
判決を受け小野寺防衛大臣は「岩礁破砕について国の主張が認められたということで、これを一つ私どもとしては、辺野古移設への工事を進める後押しになると思っています」と述べました。
県民は「司法も国よりですからね。悔しいです。絶対辺野古には作ってほしくない。知事は今アメリカ行っていますよね、頑張ってほしいと思います」「悔しい。悔しい。その一言です」「あまり興味ないです」「裁判所が受け付けもしなかったってことですか。ちょっと悔しいではありますけど、受け取っては欲しかった。裁判所は」「それは残念です」などと話していました。
また、翁長知事の埋め立て承認取り消し裁判を取りやめるよう以前に訴えたことのある宜野湾市民の安全な生活を守る会が県庁で会見し、平安座唯雄代表は「裁判所が取り扱わないと、裁判にならないということの結果でもって、却下となったんだろうと思います」と話しました。会では、すでに工事が進んでいる辺野古に早急に移設するよう求めています。
また渡具知武豊名護市長は「私の立場は、容認でも反対でもない。ニュートラルという表現しました。そういう中において、今後も法廷闘争が続いていくと思っていますが、これからの県の動向を見ていきながらと思っています」と話しました。
行政法の専門家、成蹊大学法科大学院の武田真一郎教授は「本件は、門前払いをした却下判決なので、中身の審理はしていない。本判決が、岩礁破砕許可を得ないで国がやっている工事が適法と判断したわけではないことに注意を要する。(辺野古埋め立ての)根本的な問題は、沖縄県民が埋め立てに納得していないにもかかわらず、国が強引にっ工事を進めていることにある。埋め立てを法的にいったん白紙に返すためには、県民投票によって沖縄県民の民意を明らかにして、これを根拠として知事が埋め立て承認を撤回する以外に方法はないと思う」と分析しました。