こちらは北部の民間のドクターヘリとして今から9年前の2007年、名護市で産声をあげました。それは広い地域に住む北部の人たちの「命を救いたい」という思いからでした。
そこで救命率のカギとなるのが時間です。救命率をあげるためには15分以内の初期治療開始することが求められていますが、例えば国頭村などから、救急車で患者を中南部へ搬送する場合、片道2時間。北部の病院でも1時間近くかかります。
資金難によって4度の運航休止に追い込まれたMESHですが、きょう再び運航を再開させました。
きょう、運航を再開した民間の救急ヘリ「MESH」北部12市町村からの補助が切れたために運休に追い込まれ、1年近く活動ができずにいました。
操縦士・高橋和義さん「やっと、3月から運航するっていう形になりましたので、本当に安心というか、ちょっと身の引き締まる思いがあります」
2007年に運航が始まり、これまで10年にわたって活動を続けてきたMESH。しかし、1年間の運営費に多額の資金が必要なことから、運休と再会を繰り返していて、安定的な運航の継続が大きな課題となっていました。
そこで、今回の運航再開を機にメッシュでは資金難の打開する策として、医師を乗せるのではなく、救急救命士が現場に向かって、遠隔で医師の指示を受けながら処置を施す方法で対応することにしました。国内でこの方法をとるのは初めだということです。
救急救命士・宮城元樹さん「今の情報を明確にドクターに伝えるとか」「コミュニケーションをとってスムーズに早く、ヘリって時間を短縮する飛び道具なので、スムーズに搬送できたらベストかなと…」
MESHサポート・塚本裕樹理事長「前例のないことではあるんですが、前向きに取り組むべきだろうという意見もいただいて今回の着手に至った。まだ、実績はこれからですが頑張っていきたいと思います」
MESHの活動を継続するには、多くの人の理解と支援が必要だといいます。きょうも医療を学ぶ県内の学生たちが見学に訪れ、MESHの果たす役割について学びました。
県立看護大3年生「離島でも本島と同じ医療水準がないと過疎化が進むと思う。MESHの活動は必要不可欠じゃないかと思う」
名桜大学・看護学科1年生「北部の地域の人に、そこに住んでいるからすぐに助けが来ないというのはあってはいけないと思うので、MESHの活動を続けていただきたいと思う」
MESHでは今後、寄付だけで活動を続ける体制の確立を目指していて、視界良好とは決していえませんが「救える命を救いたい」そんな思いが救命活動の原動力となっています。