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台湾で大きな地震が発生し沖縄本島などに津波警報が出されてからきょうで1年です。様々な課題が浮き彫りとなった各地の様子を振り返り災害から命を守るために必要なことを改めて考えます。

1年前のきょう午前9時すぎ。沖縄本島や宮古・八重山地域に東日本大震災以来13年ぶりに発表された津波警報。

台湾東部を震源とするマグニチュード7.7の地震によるもので現地では18人が死亡・1000人以上がけがをしました。

津波警報から1年~命を守るためにできること~

この地震で県内では与那国町で震度4の揺れを観測。けたたましく鳴り続けるアラートや防災無線などを受けて各地は高台を目指して避難する人で混乱しました。

読谷村では海から離れたより高い場所を目指し、1キロ以上を歩いた保育士や子どもたちの姿も。

ぽのぽの保育園 國永るみ子園長「(Q.発生当時は子どもたちも不安がっていた?)いつもの避難訓練と思ったんじゃないかな子どもたちは」「先生たちはかなり緊張したと思うけど」

津波警報から1年~命を守るためにできること~

0歳児から2歳児までを預かるこの保育園では年に1度津波を想定した避難訓練を実施。1年前のきょうも避難場所に指定していた高台の拝所に移動する予定でしたが、新年度を迎えた直後の出来事だったこともあり、子どもを引き渡そうと地名を伝えても場所が分からない保護者が続出。急遽レストランの敷地に避難場所を変えるなど多くの対応に追われました。

ぽのぽの保育園 國永るみ子園長「読谷の地形が海に面しているので怖かった」「すぐ下が海なので」「そこ(避難場所)まで一気に走った」「先生たちが本当に必死で」「普段は見えない先生たちの思いとかたくましさとかが見えた」

津波警報から1年~命を守るためにできること~

あれから1年。保育園では小さな命を守るため今も気持ちを新たにしています。

ぽのぽの保育園 國永るみ子園長「多くの人に助けてもらうことが大前提」「自分たちだけではこの子たちは守りたくても守れないと最低限の意識として持ちながら自分たちが今できることは何なのか」「日ごろからのコミュニティ」「つながりが大事かなと思っている」

混乱は他にも。

儀間純記者「読谷村のバイパス道路でも沿岸部から高台に避難する車で大渋滞しています」

津波警報から1年~命を守るためにできること~

各地の道路は高台を目指そうとする車で渋滞。普段は十数分で行ける距離が1時間ほどかかってしまう場所もありました。

「もし渋滞に巻き込まれている時に津波に飲み込まれたら?」その懸念は実際に14年前に発生した東日本大震災でも現実に起きています。生存者の証言から津波に流された車列があったことが分かっているのです。

読谷村をはじめ多くの自治体では津波警報や注意報が発表された場合、原則として徒歩で高台に避難することを定めています。

読谷村役場 総務部 喜瀬学さん「(避難の)原則は徒歩での避難」「津波警報が出た場合はすぐに身を守る行動」「身の安全を第一優先として高いところへの避難」「時間的に余裕がなければ高い建物」「垂直避難を推奨している」

津波警報から1年~命を守るためにできること~

同じ県内でも場所によって地形や海抜が大きく異なる沖縄。いざという時、大切な命を守るために地域の特徴を日ごろから意識しておく必要があります。

読谷村役場 総務部 喜瀬学さん「沿岸部から少し上がってさえ来ればすぐに(海抜)22メートル・30メートルといった高台になる地形を読谷村は持っているので」「身の安全を守る行動・緊急的な避難という部分では」「少し移動できればもっと安全なところに避難できるのが読谷村の特徴」

見直された津波による被害想定。普段の備え・意識が大切なのです。台湾での地震によって県内に津波警報が出たのはちょうど1年前でしたが、もうひとつ意識しなければならないのが「南海トラフ巨大地震」です。

県内には去年8月に「臨時情報」も出されました。政府は先日、その南海トラフについて13年ぶりに全国の被害想定を見直し発表しています。県内の津波による被害想定では那覇市で3メートル・名護市では5メートルが見込まれています。

今回注目したいのは想定が高くなった地域です。実は4つの市や町で高くなったのです。

津波警報から1年~命を守るためにできること~

「糸満市3メートル→4メートル」「今帰仁村3メートル→4メートル」「伊江村2メートル→3メートル」「座間味村3メートル→4メートル」

想定が低く見直されたのはわずか1つの地域です。それが八重瀬町です。

「八重瀬町4メートル→3メートル」

いざという時「避難の原則は徒歩」とされていますが、高齢者の方がいる事情やとっさの判断で車に乗ることもあると思います。その時に意識しておきたいことについて、そして今回示された南海トラフ地震の被害想定について危機管理の専門で日本大学の中林准教授は次のように話しています。

南海トラフ地震シミュレーション提供 内閣府

津波警報から1年~命を守るためにできること~

日本大学 危機管理学部 中林啓修准教授「3メートル・5メートルの津波は浸水する場所は一部でも簡単に人命を奪いうるような大きな波」「徒歩で避難することが可能な人であれば本当に危ない時に車を捨てるという選択肢をちゃんと残す」

「どこまで水が入ったら車と言えど危ないのか」「下から70センチくらいまで(海水が)上がると水圧でドアが開かないと言われている」「窓から20センチまで上がってしまうと車自体が浮き上がってしまうことも政府の資料でも言われている」

「車の避難だから安全ということはない」「車は外界の音が聞き取りにくいとか外の情報が取りにくい環境でもある」「判断を誤る可能性がある」「一見早く逃げられそうだし安全に見える車の避難でも渋滞がなかったとしても絶対に安全という保障はない」

津波警報から1年~命を守るためにできること~

いざという時誰もが命を守る第一歩としてQABでは多言語で地震発生や避難を呼びかけるAIアナウンサーを導入しています。テレビに加えてホームページもご覧下さい。