琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊和雄さんです よろしくお願いします
湊和雄さん「よろしくお願いします。さて今回のテーマはこちら「極小の世界 トビムシたち」
湊和雄さん「今回紹介するトビムシは これまでで最も小さい生き物でしょう体長は1から2mm、肉眼ではいるかいないのか、ほとんど分かりません。翅がないなど昆虫ではないのですがとても近い仲間です」
リュウキュウの自然、初登場ですね。トビムシ、その名の通り跳ぶのが得意なんでしょうか?VTRどうぞ!

湊和雄さん「これがトビムシの仲間「ニシキマルトビムシ」というグループの1種です」
全身が丸みを帯びていてどこかユーモラスなキャラクターですね。
湊和雄さん「昆虫のように羽化はしません、脱皮を繰り返して姿は変わらず大きさだけ成長します。ちょっとメタボっぽい体型ですが移動は得意です。こんな所でも、器用に移動出来ます」
マクロの世界なので分からないのですが、どんな環境にいるんですか。

湊和雄さん「どんな環境にいるかというと、落葉の下や地中です。日本国内に360種いると言われています、それが14のグループ(科)に分けられています。しかし、厳密な分類は難しく、今回も「〜の1種」「〜の仲間」というレベルでお話します。
どのような生活をしているのか気になりますね。
湊和雄さん「まず食べ物、餌です。盛んに何か舐めていますね。これ地上に落ちていた貝殻の表面なのですが」
何を舐めているのでしょうね?
湊和雄さん「トビムシの仲間は雑食性でカビやバクテリア花粉などから微生物も食べます」「これは、何か植物の腐った部分を食べています。これが主な餌のようで生態系の中で非常に重要な分解者の役割を担っていると言われています。森林内では1平方メートルの地中に数万匹ものトビムシが生息しているとも言われます」

湊和雄さん「こんな環境で生活していますが実はとても綺麗好きなんです」
湊和雄さん「これは脚を使って触角を掃除しているシーンです」
ずんぐりした体型なのに体は柔軟で器用そうですね。
湊和雄さん「さらにこれは驚きの行動、脚の先に水滴を付けて体の表面を転がします。こうやって体のクリーニングをするのだそうです。水滴は口から出して掃除が終わるとまた口で吸収しているように見えます。体のほとんどの部分をカバーしているように見えますね」

湊和雄さん「トビムシの仲間は14グループに分けられていると言いました。これまで紹介してきた「ニシキマルトビムシ」の1種に近づいてきたのは「ツチトビムシ」というグループの仲間です」「体型や色彩は異なりますが、やはり体の基本構造は同じで何か盛んに舐めています」
湊和雄さん「さて何故トビムシと呼ばれるのでしょう?」「翅はないので飛べません。代わりに跳ぶ=ジャンプするのです。このピンク色のは「イボトビムシ」の仲間でしょうか?あいにく途中でフォーカスが外れてしまいましたが、かなりの距離を跳んでいるが判りますね」
湊和雄さん「ではどうやってジャンプしているのでしょう?静止画ですが「ニシキマルトビムシ」の3本の脚の間に斜め前向きに別の脚のようみえる先端が見えていますね、これが跳ぶための器官なのです」

湊和雄さん「もっと分かり易い例です。アヤトビムシの1種、腹部の裏側に白い長いパーツが見えます。これを板バネのように使ってジャンプするのです跳躍器と呼ばれます」
湊和雄さん「特にマルトビムシ、可愛いと感じるかあるいは苦手?と感じる人もいると思います。とにかく小さいので動画の撮影は苦労しました。今後ジャンプの瞬間をしっかり撮影してみたいと思います」
今回も貴重な映像ありがとうございました。リュウキュウの自然でした。