ここからは早わかりビズ。県経済の動きをわかりやすく解説するコーナーです。きょうはことし初めのビジネスキャッチーで経済界の方々に今年の展望について伺った際、多くの方が口にしていた「Gateway2050」について、GW2050プロジェクツ推進協議会事務局エグゼクティブプロデューサーの比嘉秀樹(ひがひでき)さんに解説していただきます。よろしくお願いします。県内の経済界で一番ホットな話題のようですね。
比嘉秀樹さん「はい、GW2050PROJECTSは、去年8月に民間が主導し、県内4つの経済団体と基地を抱える那覇市・浦添市・宜野湾市で立ち上げた経済団体です。那覇空港と返還が期待される那覇軍港、キンザーおよび普天間飛行場の4つのエリアを中心に「世界に開かれたゲートウェイ」として、2050年の沖縄の成長戦略を描き、かつ実現に向けて取り組んでいくことを目的としています。」

こちらの映像は先月那覇市で開かれたシンポジウムの様子ですが、会場は満席で関心の高さが伺えますね。
比嘉秀樹さん「はい、当日はまちづくりと空港機能のあり方を中心に、専門分野の方々より世界の先進事例も踏まえ説明頂き活発な意見交換がなされました。」
まずはGateway2050はどのようにして生まれたのでしょう?
比嘉秀樹さん「日米両国の間で返還が合意されている、那覇港湾施設、牧港補給地区、普天間飛行場の3エリアでは、返還後の跡地開発について各々の地域で個別の検討が進んでいます。GW推進協議会では、各エリアの歴史、文化、周辺環境等の特色を活かしつつ、全県俯瞰的な視点でエリアごとの機能分担を行うことで、個別の開発で得られる以上の地域発展性が期待できるのではないかと考えています。」

「経済界が音頭を取り、行政区域の壁を越えた検討をしませんかと、基地を抱える那覇市、浦添市、宜野湾市にお声掛けしGW2050の取り組みがスタートしました。」
なるほど。こういうかなり先の沖縄県全体に関わる計画を経済界が中心となって先行して手掛けるというのは珍しい事では?
比嘉秀樹さん「はい。経済界が主導し自治体も巻き込んだ地域全体の成長戦略を描く事例は、日本でも稀であり、国を始めとした行政機関の方々からは期待の声を沢山頂いています。」
それでは具体的にはどう進めていくのか教えてください。

比嘉秀樹さん「はい、GW2050の特徴として、箱物の議論ではなく、そのエリアが持続的に成長していくための4つの柱として、沖縄らしい産業、成長を支える人づくり、空港からの基幹交通システムおよび環境への対応を中心に議論をスタートしています。」
沖縄は1972年の復帰後、人口の伸びを背景に、経済指標である県内総生産はこの50年間で約10倍の4兆円台に拡大してきました。
一方で県民所得水準は長きにわたり全国の7割程度、労働生産性も8割程度に留まっています。
足元では沖縄の人口もピークアウトしたと思われる状況であり、今の10代20代の学生の皆さんが活躍される2050年の沖縄を議論するにあたっては、これまでの産業構造を前提としない、大胆かつスピード感を持った検討を行っています。

確かに、那覇空港はすでに旅行シーズンではなくても週末でさえ混雑ぶりがめだっています。キャパシティとしては足りない状況ですよね。
比嘉秀樹さん「2020年に第2滑走路が開通した那覇空港は3000万人台の旅客者数が利用できるポテンシャルのある空港です。これからの沖縄は、グローバルな成長都市として、観光と産業の玄関口として世界最高水準の国際リゾート空港が必要になります。」
まずはことし手掛ける事は何でしょうか?

比嘉秀樹さん「今年度は、離島も含めた県全体のグランドデザインを描き、私たち沖縄の目指す方向性を議論できるようにしていきます。特に沖縄らしい産業や人材育成のあり方を重点的に議論を進めます。その上で次年度は、那覇空港と3つの基地返還予定地の機能分担について深堀をしていきます。」
これからは行政も一体となって進めていく事が大事でもありますね。
比嘉秀樹さん「まとめとして、2050年の沖縄の将来像を描き、実現に向けた成長戦略を描くGW2050の取り組みで大切にしていることは、県民一人ひとりが、次代の沖縄にワクワクし、誇りをもった生活が送れることです。多くの県民の共感が得られるよう、また世界の潮流に負けないようスピード感をもって取り組んでまいります。」
きょうは事務局エグゼクティブプロデューサーの比嘉秀樹さんにGateway2050についてわかりやすく解説していただきました。ありがとうございました。ここまで「早わかりビズ」ビジネスキャッチーでした。