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復元が進む首里城の今、人々の思いを紹介する「週刊首里城」です。平成・令和と時を超えて復元に携わる建設会社が取り組んでいるのは大小の「龍柱」です。

石工(いしく)30年あまりの職人が抱く小龍柱への思いに迫ります。

石工歴34年 岸本学さん『彫刻というのは本当に初めて』『普段は石材の加工をメインでやっている』『工場の中では最古参ということもあると思うが細かい仕事が得意なので』

様々な石材の加工などを請け負う石工歴34年のベテラン職人・岸本学(きしもと・まなぶ)さん。普段は一般建築に使われる石材を加工していますが、会社から首里城の象徴ともいえる小龍柱の制作を命じられました。

第17回 週刊首里城「石工職人の思いとは?岸本学さん」

石工歴34年 岸本学さん『流石に緊張する』『時間的なものもそうだけどなんというか』『一度彫ったら元に戻せない』『一発勝負というところで緊張と戸惑いはある』

小龍柱の復元は去年6月に荒彫りを開始、8月には龍に表情をつける仕上げ彫り・詳細彫りの作業へ。この日は龍の鱗をダイヤモンドの粒子でできた専用の道具を使って丁寧に慎重に彫っていきます。

石工歴34年 岸本学さん『システマチックな方法で』『3Dスキャナーとかプロジェクターを使ったり』『そういうのも駆使してやっていたのでハードルは下がったと思う』

時代とともに変化する復元の現場。岸本さんは3Dスキャナーでデータ化した図面をプロジェクターで石材に投影。ポイントごとに彫り進める深さが数値化され、安全かつ正確な作業ができるようになったといいます。

第17回 週刊首里城「石工職人の思いとは?岸本学さん」

石工歴34年 岸本学さん『3Dスキャナーとかプロジェクターを使っても線が表現できないところがある』『この辺は勘でやるしかない』『その辺は30年以上の加工経験があるので役に立ってるのかなとは思う』

最先端の技術を用いても特に難しかったのは龍の表情。作業は歯がゆいものでした。

石工歴34年 岸本学さん『真横は下書きだとこの辺』『そこまで凹凸がない』『この辺りはさすがに下書きができない』『最初は平面なわけで多少のグリッド彫りでなってはいるがあまり綺麗に下書きができない』

そこには首里城復元の現場で認めてもらいたいという思いとともに職人としてのプライドもありました。

石工歴34年 岸本学さん『この復興に関して県民だけでなく』『いろんなところから支援がある』『下手な物はできないなと思う』『よく復元してくれたと言われるような作品になったらいい』

30年余りの経験と最新の技術で進む復元。岸本さんの思いとは?

第17回 週刊首里城「石工職人の思いとは?岸本学さん」

石工歴34年 岸本学さん『次の若い人へ・・岸本学』『今回の復元工事が終わった後も工事は続いていく』『その中で石関係の仕事も沢山あると思うが自分の世代で終わりではなくて』『若い人に参加してもらって未来へどんどん繋いでいって欲しい』

岸本さんの思いとともに復元される小龍柱は来年秋に首里城正殿の正面に鎮座します。

第17回 週刊首里城「石工職人の思いとは?岸本学さん」