楽園の海、案内は水中カメラマンの長田勇さんです。
長田勇さん「今回は、海が荒れやすい冬の時期でも潜りに行ける、大度浜海岸を紹介します」
早速ご覧いただきましょう。本島南部。糸満市にある大渡浜海岸ですね。
長田勇さん「普段、私のトレーニング場所になっている海なんですが、北風が吹くこの時期、外洋が荒れていても内海は穏やかなんです。さっそく水深50cmの所で、アオウミガメと出会いました。」
こんな浅瀬にウミガメ!?本島ですよね!
長田勇さん「そうなんです。正月の初潜りでも出会っていますが、何度会っても嬉しい生き物。何をしているのかというと、餌を食べているんですね。」
全然警戒す様子もなく一生懸命食べていますね。
長田勇さん「緑色の苔のようなものを食べていると思ったんですが、よく見ると黒っぽい海藻のようなものを食べていました。偶然2匹が一緒になることも。」
わわ!かわいい!
長田勇さん「ここのウミガメたちに縄張り争いは無さそうです。本当にのんびりと生活しているので、運が良ければこのように、自撮りも出来ちゃいます。」
衝撃です。シュノーケルで会えてしまうものなんですね。
長田勇さん「そうなんです、餌を食べているときは頻繁に呼吸が必要となるため5分に一度水面に顔を出します。は虫類のため、私たちと一緒で空気を取り込んでいます。呼吸を知るタイミングを上から見るとこんな感じ。」
一瞬ですね!
長田勇さん「この瞬間は警戒心が強いのかもしれません。優雅に泳ぐウミガメについて行くと」
どこへ誘われるんでしょうか?
長田勇さん「まるで竜宮城のような場所、デバスズメダイが群れている場所へ連れて行ってくれました。」
美しいです。大渡浜海岸ってこんなにきれいな場所だったんですね。
長田勇さん「そうなんですよね。デバスズメダイは通常生きたサンゴのみを住処とする魚ですが、実はこのサンゴは死んでいるんです」
そうなんですか・・・
長田勇さん「水温上昇で死んだのか、病気で死んだのかわかりませんがまだ形が残っているため住処として利用していました。この先が心配です。」
魚たち、よい住処を見つけてほしいですね。
長田勇さん「水面で指を鳴らしただけで寄ってくる魚たち。ここの内海で撮影していると、生き物との距離がとても近く感じます。」
沖縄の海、昔はすべてこんな感じだったのでしょうか?
長田勇さん「そうですね、こちらにもデバスズメダイの群れ。住処にしているのは、死んだサンゴではありません。」
ホッとしました。
長田勇さん「シコロサンゴやウスサザナミサンゴを住処としていました。生きているサンゴですよ!この場所のミドリイシサンゴは昨年の水温上昇で大半が死んでしまいましたが、この種類のサンゴは、高水温に強いようです。」
このような強いサンゴたちがたくさんあると生き物たちも安心ですねあ!大きな魚もいます!
長田勇さん「はい、釣りをする人なら間違いなく知っている魚、ハマフエフキ。」
タマンですよね。
長田勇さん「そうです、ここの常連です。こちらに向かって泳いできます。」
大きいし2匹もいます。
長田勇さん「タマンをこちらに近づかせる方法があります!秘技!水面叩き!」
えええ?なんでですか?
長田勇さん「この技で、何度も正面から向かってきてくれました。理由はわかりません、僕も聞いただけ。餌と間違えているのかも」
理由分からないのですね、気になります。あ、なにかいます、イカ!?
長田勇さん「体長15cmほどのアオリイカの群れです」
こうやって泳いでいるんですね。
長田勇さん「でもタマンのようには近づけませんでした。他にも距離を縮められなかった魚がいたので紹介します。ミナミクロサギの群れ。水深1mの所に300匹くらいいました。でも逃げ足早いです。」
この浜にはたくさんの生き物がいるのですね。感動します。
長田勇さん「さらにこの中にギンガメアジの子供が数匹混ざっていたので、頑張って近づきたかったのですが、こちらも全然ダメでした。結局、一番フレンドリーに接してくれたのはアオウミガメ。」
笑顔のようにも、手を振っているようにも見えますね。
長田勇さん「そうですね。内海だから外敵も少なく、餌も豊富という、良い条件が揃っているんです。シュノーケリングやダイビングをすれば間近で見る事ができますが、見つけた場合でも驚かしたり触ったりと、危害を加えないようにして頂きたいです。帰りに浅瀬を覗いてみると1匹はまだ食事中でした。いつまでもこの光景残していきたいですね。」
本当にそう思います。今回も癒しの映像でした。ところで長田さんこの日の水温はいかがでしたか?
長田勇さん「水温は19.8℃とめちゃくちゃ寒かったんです。ですがいろいろな魚たちに会えたのでね、寒さも吹き飛びました」
ありがとうございます、またシュノーケルを行う際には安全対策をしっかりとって行っていただきたいですね。
長田勇さん「そうですね寒さを我慢できる方は、ぜひチャレンジしてみて下さい!」
ありがとうございました。以上楽園の海でした。