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さて、去年末、突然、発覚した新二十歳が纏うはずだった袴や振袖などの貸衣装の契約トラブル。今月に入って、各地で式典が開かれるなか、どのような対応を取られ被害を受けた若者たちに着物が届けられたのか?貸衣装会社などを取材しました。

二十歳の集い参加者「(振袖)めっちゃ気に入っています」「Qどんな大人になりたいですか?」「看護師目指しているので、立派な看護師になれるように頑張ります」「あっというまに20歳という大きな節目を迎えられてうれしい気持ちでいっぱいです」「誰にでも優しく、みんなから頼られる大人になりたいです」「かっこよさのレベル20」

きのう名護市で二十歳の式典が行われ、797人が晴れの日を迎えました。みなきらびやかな振袖・袴・スーツを身にまとい、軽やかな足取りで続々と会場に訪れます。ただ、この日に至るまでに若者たちの間である問題が起こっていました。

名護 二十歳の集い 晴れ着問題その後

「お金はちゃんと払っていると思いますが、袴って着られないんですか?」「すぐには説明できないのですが、成人式は約束します。ちょっと時間をください」

これは成人式の振袖や袴などのレンタルなどを行う貸衣装会社SMILEYと提携して本島北部地域で営業していた業者代表の男性と、袴のレンタル契約をしていた二十歳の若者とのやり取りです。

男性は若者120人から衣装の契約代金としてあわせて730万円を受け取っていましたが、契約書や領収書証は発行せず、貸衣装会社に代金を振り込まないまま連絡が取れなくなりました。

名護 二十歳の集い 晴れ着問題その後

比嘉基生代表「もしかしたらこれは一番最悪なパターンになってしまったかと思い」「ものは間に合うのか、どういう話し合いが客と名護店の責任者とされているのか、分からないものだらけだったので」

去年9月ごろに名護で衣装の依頼をした若者から相談を受けて問題に気づいたSMILEYの比嘉基生代表、被害にあった120人分の衣装をどうにかしようと奔走します。

その間も業者に依頼した若者や心配した保護者などから問い合わせがあり、多い日で1日80件ほど対応しながら衣装が用意できないか関係先を探し続け、心労で眠れない日が続いたそうです。それでも比嘉さんは若者に衣装を届けたいという思いがありました。

名護 二十歳の集い 晴れ着問題その後

比嘉基生代表「成人式に(晴れ着を)着せられないのはお金に変えられないものだと思うので」「これができないとなると本当に大変なことだと思ったので、どうしても着てほしいという思いはすごくありました」

迎えたきのうの式典、会場には揃いの袴を身にまとった二十歳の若者の笑顔がはじけていました。SMILEYでは今回被害にあった120人分の希望した衣装をそろえ、各地で行われた式典に間に合わせました。

名護 二十歳の集い 晴れ着問題その後

被害にあった男性「地元の友達とみんなで揃えて、気持ちも一緒な感じがして最高です」「この袴が似合うようなかっこいい大人になりたい」

被害にあった男性「めちゃくちゃうれしい」「(袴の幹事として)みんなに心配かけた部分あったが本番みんなで着れてうれしい、頑張ったかいがあるなと思う」「比嘉代表が最後まで大丈夫と伝えてくれて安心してきょうを迎えました」「不安が大きかったんですが、こうして袴を着ることができたのも含めていい思い出になったと思う」「自分の地元のカラーでみんなで袴で決められたことは心からうれしく思っている」

笑顔があふれた式典のあと、市街地を見下ろす山の斜面に「華」という光文字が点灯。サプライズの花火が若者たちを祝福しました。

比嘉基生代表「お直しの声があるかないかを待ちながら、とりあえず僕らができることは終えた、やり遂げたという気持ち」

名護 二十歳の集い 晴れ着問題その後

貸衣装会社ではきょう、貸し出していた衣装の返却作業に追われていて、比嘉さんのもとには依頼者からの感謝のメッセージが届いていました。

比嘉基生代表「今後二度とこのようなことがないように、こちらの方でもしっかり管理できるところ・確認できるところは、さらにいかして対応していけたらと思います」