今年も残すところあと2週間になりました。県警によりますと、今年県内で発生した人身事故は11月末時点で2509件でした。また、犯罪の認知件数は8810件となっています。中でも特殊詐欺が相次いで発生した年でもありました。今回は、事件・事故で1年を振り返ります。
年が明けた1月、浦添市の国道58号で仮設歩道を歩いていたネパール人夫婦が軽乗用車にはねられ死亡する事故がありました。
濱元晋一郎記者「目撃者の話によると、この付近で歩行者をはねた車はそのまま止まることなく直進し続け、工事用のバリケードに突っ込み停止しました」
運転していたのは82歳の高齢女性。先月、那覇地裁で行われた判決公判では、被告に対し禁錮3年・執行猶予5年の有罪判決が言い渡されました。さらに死亡事故は相次ぎます。3日後には、沖縄市の国道330号で横断歩道を渡っていた高齢女性が車にはねられ死亡する事故が発生。
警察によりますと今年1月から先月末までに交通事故の件数は、2509件にのぼります。去年の同じ時期に比べると24件減少しているものの交通時による死亡者数は40人と7人増加しました。また、65歳以上の高齢者ドライバーによる交通死亡事故は15件と過去10年で最多だった去年と並ぶ件数となり、高齢者ドライバーに対する事故の対策が課題となっています。
今年2月には、宜野湾市の国道で当時58歳の女性を車道に放置してタクシーにはねさせて殺害したとして警察は、宜野湾市に住む古謝勝也(こじゃ・かつや)容疑者(30)を殺人の容疑で逮捕しました。裁判はまだ行われておらず、今後犯行の動機など事件の全容解明が明らかになる予定です。
相次いだアメリカ兵の性暴行事件。今年5月、アメリカ海兵隊の上等兵の男(21)が県内の女性に性的暴行をしようとしてけがをさせたとして逮捕されその後、不同意性交致傷罪に起訴翌月(6月)に起訴。
また今年1月には、別のアメリカ海兵隊員の男が不同意性交等の疑いで逮捕されその後不起訴になっていたことも明らかになっています。また、去年12月アメリカ軍嘉手納基地に所属する空軍兵が面識のない16歳未満の少女をわいせつ目的で自宅に連れ込み不同意性交とわいせつ目的誘拐の罪で起訴されました。先週(13日)行われた判決公判で那覇地裁は、被告に対し懲役5年の実刑判決言い渡しました。
これら一連の米兵による性暴力事件は、発生から発覚まで県に全く情報が共有されていなかったことが問題になり政府が自治体への通報体制の見直しを迫られるきっかけとなりました。
これを受け日本政府は県など地元自治体への通報体制について、性犯罪などの捜査当局が積極的に情報共有をしない事案について「可能な限り地方自治体に情報を伝達する」方針を示しています。
9月には読谷村で行われていた祭りの会場で乗用車が見物客をはね、女性に重傷を負わせた事件がありました。警察は読谷村瀬名波の無職、屋良朝正容疑者(55)を殺人未遂で送致しました。那覇地検は、11月1日からおよそ3か月かけて犯行当時の精神状態を調べる鑑定留置を開始。
屋良容疑者に刑事責任能力があったと認められれば今後、裁判に進むことになります。
そして、今年特に世間をに騒がせたのは還付金詐欺やオレオレ詐欺などで全国でも相次ぐ特殊詐欺。県内でもこれまでに158件の被害が確認されていて(12月16日時点)被害額はおよそ2億1600万円と去年の件数より、およそ3倍も増加。実際に特殊詐欺の被害に遭った男性はこう語ります…
被害者「自分にまさかくるって思ってないからいざなったら騙されたんだな・・・」
本島南部に住む30代のこの男性は、「県警の警察官」を装う男から電話があり”ある文書”が送られてきたといいます。
被害者「(警察官の名乗る男が)今から逮捕状を送りますって言って。逮捕状とその事件に関する紙に書いたやつを送ってきて・・・」
「あなたに不審なお金が振り込まれている。どころを調べるために口座の金を全て振り込んでほしい」
被害者は捜査協力と身の潔白を証明したい思いで男の指示に従い、指定口座におよそ80万円を振り込んでしまったということです。
被害者「まさか自分にこないだろうと思っているのが一番良くないんじゃないか」
実際の音声「こちら警視庁捜査二課のタジマと申しますが國吉吉仁さんご本人でお間違いないでしょうか?」
今年10月下旬には、沖縄市に住む國吉吉仁(くによし・よしひと)さんにも警察官装う人物から電話がありました。
「大阪府警から事件の捜査協力要請を受けまして、國吉吉仁さんに連絡をしております。急で申し訳ないのですが本日中に身分証明書をお持ちになって大阪府警まで足を運んで頂くことは可能でしょうか?」
突然の警察からの電話…はじめは戸惑ったといいますが、ある点から不審に感じたといいます。
國吉吉仁さん「名前、電話番号、住所も言って来たんです。ただ1つ違っていた点が住所が僕が十数年前に関東に仕事で行っていたときの社員寮の住所だったんです。ただ(電話番号が)「+1」すぐに海外というのがわかったので、これは詐欺かなというのがわかりました」
電話はその後、警視庁の警察官を装う人物から大阪府警へと転送…
「私は大阪府警捜査二課シライエイジと申します」「今回の事件は秘密保持対象の事件となっていますので第三者に話されたりはやめて頂きたいです」
他人には話してはいけないことを強調した上で、自分の通帳が犯罪に使われ「捜査に協力しなければ逮捕される」と脅してきたといいます。
國吉吉仁さん「口座に今いくらありますかお手元の通帳においくらありますか?50万円ほど入っていますそのお金を大阪府警に送れますか?確認が出来次第また(お金を)戻しますので、口座番号とかしつこく聞いて来ました。SNSやいろいろなサイトで詐欺の動画をよく見ていて知識があったので「+1」で海外から(電話が)かかって来て警察ですって容疑がかかっています。新潟県警に来て下さいなどは絶対にないと思いました」
國吉さんは自宅に戻り、「電話を折り返す」と電話を切ったことで詐欺被害を免れました。
県警 山城次席「警察官がですね、現金の振り込みを指示することはまずないです。アプリを通じて逮捕状、警察手帳をしめすということもありません」「キャッシュカードを渡す前とかですね、お金を振り込むまえにですね警察に相談してほしいなと、もしくは友人・知人に相談してほしいなと思います」
県内で相次いで発生する特殊詐欺の被害。毎年、年末にかけて増加傾向にあることから他人事だと思わず自分の身近に迫っている問題と考えることが求められます。