2023年、わいせつ目的で少女を誘拐し性的暴行をした罪に問われているアメリカ空軍兵の男の裁判で、那覇地方裁判所は被告に懲役5年の実刑判決を言い渡しました。
わいせつ誘拐と不同意性交等の罪に問われているのは、アメリカ空軍の兵長ブレノン・ワシントン被告(25)です。
起訴状などによりますとワシントン被告は2023年12月沖縄本島の公園でわいせつ目的で当時16歳未満の少女を誘拐し、自宅で性的な暴行を加えたとされています。これまでの裁判で検察側は懲役7年を求刑し、弁護側は無罪を主張していました。
判決で那覇地裁の佐藤哲郎裁判長は、少女の証言が付近の防犯カメラの映像などの証拠と整合している点で信用できると認定しました。また少女が公園で伝えたとする16歳未満の年齢についても認識していたとしました。
そして被告が自宅で性的暴行をした点については、助けを求める相手のいない密室で少女は年齢や体格に差がある被告に恐怖を感じつつも「やめて」「ストップ」と拒絶の意思表示をしたとしました。その上で同意がないことを認識した後も性的暴行を継続し犯情は重く到底実刑をまぬがれないと懲役5年を言い渡しました。
県内の学生「この5年っていう数字は正しいものなのかなと、ずっと判決を聞きながらも考えていて少女を中心に考えていかないと、これは不平等だなと自分は思っていますね。」
琉球大学法科大学院矢野恵美教授「執行猶予もついていませんし、行為の重さがしっかりと認められたと考えます」『若い被害者が「やめて、ストップ」と途中で力をふり絞って言った。そこからは(被告人が)認識できた。ではフリーズして「やめて、ストップ」も言えなかったら被告人は認識せず、今回の事件で無罪だったのだろうかという不安はありました』
玉城知事「事件事故防止は米軍の綱紀粛正と、徹底した教育も必要ではないかと、意見交換する場も必要だと考えている」
また玉城知事は「女性の人権や尊厳をないがしろにする重大かつ悪質な事件で決して許すことはできない」とし、来県している中谷防衛大臣との面談時に対策への協力を求める考えを示しました。