おきなわの「今」を見つめる「イマジンおきなわ」です。今回は先日、那覇で開催された「音楽を使った、国境を越えた対話(のイベント)」についてお伝えします。とにかく物凄く盛り上がっていたんだそうです、一体どんなものだったんでしょう!?
マチュメ・ザンゴさんのティンビラ演奏 弾むリズム!ともに歌い、踊り、演奏する人々。音楽による国境を越えた楽しい「対話」。激しくもピースフルな空間がそこには広がっていました。
那覇市から参加した女性「めちゃくちゃ楽しかったです!音楽を楽しむ平和な空間でしたよね。音楽で世界平和って有り得るんだなって思いました。」
先月末、那覇市であるワークショップが開催されました。題して「モザンビーク・沖縄 ダイアローグ」「ダイアローグ」とは直訳すると「対話」や「会話」といった意味で、県内在住の様々な国の人々が集まって音楽を用いた「対話」を楽しみました。
沖縄県立芸術大学・非常勤講師/音楽民俗学者古謝 麻耶子(こじゃ・まやこ)さん「沖縄に残された歌とか言葉とか、それを今を生きる人たちがどういう風にクリエイティブに継承していけるか、そこから自分たちの表現を見つけていけるかということをモザンビークと沖縄、このふたつを対話させながらいろんなことをやってみたい、そこから新しい発想も出てくるんじゃないかなと思って。」
企画・主催した県立芸術大学非常勤講師で民俗音楽学者の古謝さんは青年海外協力隊で初めて行ったモザンビークで現地の音楽に魅了され、帰国後も20年近くにわたりモザンビークに通って音楽や文化を通した交流を続けています。
古謝 麻耶子さん「いつもモザンビークに行くと必ず会って、ティンビラという彼の故郷の楽器、木琴を教えてもらったりしながら音楽を通した交流をずっとしてきていて」
モザンビークのミュージシャン、マチュメ・ザンゴさんは世界中で演奏をしていますが、沖縄のことは大のお気に入りなんだそうです。
マチュメ・ザンゴさん「私は、沖縄で活動するのが大好きです。文化的に豊かな感じがします。皆さんすごく自分らしさを持っていると思います。活動に参加している人々の反応や行為を見たらわかりますよね!」
(Tenho uma sensibilidade de pessoas tem mais identidade Tu podes ver isso na propria respostas or accao das pessoas quando se enpenham ha um determinado trabalhos que nos estamos a fazer.)
イベントではマチュメさんと音楽人類学者でDJでもある矢野原 佑史(やのはら・ゆうし)さんが「世界の音楽と出会いながらみんなでうたをつくる」ことを行い(企画し)、参加者は持参した楽器や自分の声を楽器にして大いに歌い踊り、即興の音楽で「対話」しました。
京都大学・特任研究員/音楽人類学者/DJ 矢野原 佑史(やのはら・ゆうし)さん「沖縄は特別で場所によってグルーブが違うんですよね、関西のグルーブと関東のグルーブと沖縄のグルーブと違うんですけど今日やっぱすごいなって、沖縄の人たちはすごいなって思いました」
「皆がグルーブを練り上げて自分のゾーンに入っていくみたいな時間を長くとれたのですごい今日は良かったなと思っています。」「すごいみんなリラックスした雰囲気で僕も居心地が良かった。」
那覇市から参加の女性「いろいろな音が形のあるものないもの、アジアの民族楽器とか、そういうもの全てひとつに融合できるんだなって」「今までの中で一番楽しかった音楽の授業かもしれない。」
また、島くとぅばを使った芝居を作り演じている比嘉 陽花(ひが・はるか)さんが講師となって「じんじん(蛍)」や「あったー豚の子と」など「生きもの」をテーマにした「わらびうた」を使い参加者がグループに別れてパフォーマンスを作り発表しました。
幻想的な踊り(コンテンポラリーダンス)や、沖縄とアフリカのリズムのコラボ、高校生のラップとDJにダンスで会場は大いに盛り上がりました!
参加者の女子高校生「一体感というかグルーブを感じました。」
男子高校生「楽しかったが一番で、文化とか音楽に触れたというのは自分の間違いない経験になるので、とても良かったです。」
女子「方言とか古いものって自分たち全然知らないので、そういうもの発掘して今日パソコンで新しい音楽にした、古いものを別のものにするのはいいなと思った。」
男子「こういう文化に触れて自分がいいなと思えたものは間違いなくラップに生きてくると思うので、とてもいい経験になりました。」
比嘉 陽花さん うちなーぐち「あしびぬ ちゅらさや やんじゅぬ すなわい(遊びが盛り上がるのはみんなが揃ってこそ:沖縄のことわざ)でしたね、きょうは。」「踊りあり、ピアノを伴奏して、ぬちがふユンタの歌もあり、またヒップホップもあり。」「やっぱり沖縄の歌、八重山、宮古の歌はとても力を持っているなと。普段からそう思っていますが」「とても涙でウルウルしました。」
マチュメ・ザンゴさん「参加者たちは笑顔で、エネルギーに満ち、本当に生き生きとしていました。それは私たちの人生で最も重要なことです。」「知らないことに出会って、それを知ろうとする。この好奇心はとても重要だと思っています。」
(Pessoas tem mais sorrisos e tem muito energia …Tem vivrao pessoas vivrao Pessoas tem uma vivracao. Isso e mais importante para nossas vidas. Mesmo se as pessoas nao conhecem as coisas, querem descobrir, isso tambem e a curiosidade muito importante)
古謝 麻耶子さん「皆さん結構ふだんシャイそうにしているけども、何か出会った時に何か心に触れるとふゎっと「開いていく」というのが見られて、みんな違う世界を持ちよって何かを作るという、その場にいるとみんな開放的に自分自身の感覚とかでいいという風に自分自身の表現に対して素直になれて他の人とラフに付き合えるというのがあるような気がしました。」
マチュメ・ザンゴさん「私は常に新しい人々と出会って、家族のようにつながるのが好きなんです。芸術を通した出会いだけでなく、友情や生活も大切です。」「だから、島に来るたびに新しい人たちと出会うのが好きだし、出会った人たちとの絆が深まるのを感じます。」
(e para mim e um e sempre vou descobrindo novas pessoas e vou me conectando com a nova familia entao nao e so a o encontro da arte mas tambem a nossaso amizades e as nossas vidas entao eu gusto de encontrar novas pessoas cada vez que venho para ilha, eu me seinto mais identificado com as pessoas que eu encontro)
古謝 麻耶子さん「いま生きている人たちのこうした試み、フォーマットとか人と人との繋がりとかコミュニケーションのあり方とかメディアとかいろんなものを沖縄の人だけで考えるのではなくモザンビークの人からも発想をもらいながら一緒に何かやっていくことで見えてくるものがあるのではないかと思って今後もいろいろと企画できたらと思っています。」
マチュメさんの出身地、「モザンビーク」がどのあたりにあるのか地図を用意しました。モザンビークは、アフリカ大陸の南側に位置しています。那覇市から、首都・マプートまでは、およそ1万1800キロ離れています。
マチュメさんは今回、2週間ほど滞在して他にも様々なイベントに参加したり招かれて愛媛まで行ったんだそうです・この古謝さんのプロジェクト(モザンビーク・沖縄 ダイアローグ)は3年のプロジェクトで今年が1年目。
ラップやってた高校生たちは昭和薬科大付属高校のアート部で活動していて普段からMV作ったりしているそうな。将来が楽しみですね!