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話題の経済情報やトレンドをより詳しくお伝えする注目ビズ、11月は事業を親族や第三者に引き渡す事業承継の強化月間なんです。このコーナーでも、先月那覇市の老舗精肉店が浦添市の企業へ事業を承継したニュースをお伝えしました。

実は今全国的に見ても沖縄の企業が県外の企業から注目されているそうで、県内企業と県外企業の事業承継を山城アナが取材しました!

山城アナウンサー「石垣空港から車で北へおよそ40分の場所にあるこちらのホテル9月に経営を県外企業へ承継しました」

2017年に開業した石垣島最北端の小規模ホテル「セブンカラーズ石垣島」全7室の客室に、手付かずの自然に囲まれた隠れ家リゾートで東京から移住してきた戸田夫妻が経営してきました。

注目ビズ!M&A第二弾!県内×県外企業のマッチング/ビジネスキャッチー

Seven Colors 石垣島 前オーナー 戸田直之さん マネージャー 戸田沙紀子さん「夢を叶えて経営自体も比較的順調に進んでいたんですが、2人の反省として家族を多少犠牲にしていたというところがありまして、家族とこの仕事を天秤にかけたときに家族を優先したいということで今回この事業を譲渡するということを決断した」

子どもの成長をこれまで以上に傍で見守っていきたいと島の外への進学を機に、泣く泣く事業を引き渡す決意をしました。買い手企業として名乗りをあげたのは30社。国内外から客が訪れ、旅行サイトでも受賞の実績があることが評価されたのです。

その中で、事業の引き渡しを決めたのは宮崎県で石油事業を軸に小規模ホテルの運営も行う「江夏石油」でした。

江夏石油 現Seven Colors 総支配人 江夏凜さん「3年前に実は鹿児島県の霧島にある「万遊」という5部屋しかないペンションをM&Aさせていただいて思いを引き継いでホテル事業をまた新たに強化したいと」

前回のM&Aの経験や既存のスタッフの雇用を継続すること、実際に現地に本社の社員を送って運営をすることなどが戸田夫妻にとって承継の決め手になったといいます。今月末まではノウハウを教える期間です。

注目ビズ!M&A第二弾!県内×県外企業のマッチング/ビジネスキャッチー

Q.誰かに引き継ぐと聞いた時は?近くに住む勤続5年目のスタッフ 真栄城京子さん「ショックでしたよ、ショックで涙が出てきて2人で泣いて(戸田夫妻の分まで)頑張らないと遠くまで通いきれないから私は体がもたない」

市街地から車で1時間以上かかるこの地域で暮らす従業員にとってはなくてはならない職場となっていました。

Seven Colors 石垣島 前オーナー 戸田直之さん マネージャー 戸田沙紀子さん「(従業員は)不安も正直なところあったと思う。なるべく縁の下の力持ちとしてホテルが良い方向に向かっていけるように引継ぎができるようにしたい」

宮崎県と石垣島にある両社を結びつけたのが主に中小企業の事業承継を行う県事業承継引継ぎ支援センターです。

支援センターの成約件数・県内×県外の成約件数

注目ビズ!M&A第二弾!県内×県外企業のマッチング

全国的に後継者不足が叫ばれ始めた2014年に設立事業承継やM&Aの認知度の高まりとともに成約件数も増え、これまで200件以上の企業と企業の橋渡しを担ってきました。このうち県外と県内企業の成約も一定数あることが分かります。

県事業承継・引継ぎ支援センター 統括責任者 佐藤英彦さん「最近は特に県外のそういったM&Aの仲介をやっている事業者さんが沖縄にかなり興味を持たれてる。実際にお会いして沖縄県の今の現状や動向などを情報交換させていただいている」

先月末には国内業界大手のM&Aベストパートナーズと県内の後継者不足問題や事業承継の動向に関して意見を交わしました。

M&Aベストパートナーズ 事業承継・M&Aエキスパート 甲斐田健さん「特に沖縄県内の会社様ですとオーナー様のご年齢っていうのが比較的高いのかなっていうのがありまして、その中でもなかなかM&A自体をやっぱり知らないオーナー様が沖縄県内多いのかな(と思った)」

全国的に見ても沖縄企業への興味の高まりを感じているという甲斐田さん、那覇市に支社を構えて3年ほどで数百社の県外企業へ沖縄の企業を紹介してきました。その中には北海道と沖縄の建設業を結んだケースも

注目ビズ!M&A第二弾!県内×県外企業のマッチング/ビジネスキャッチー

M&Aベストパートナーズ 事業承継・M&Aエキスパート 甲斐田健さん「繁忙期と閑散期というのが沖縄県と北海道ですと真逆というところが特徴としてはあるので、そういった意味ではかなりシナジーっていうのをすごく出していきやすい。やはりM&Aをしたからゴールというわけでは絶対にないので、M&Aをしたからこういうことが実現できたですとか、そこの架け橋というところを全力でサポート出来たら」

県事業承継・引継ぎ支援センター 統括責任者 佐藤英彦さん「事業承継は最終的には後回しにされがちなテーマや領域になってるかなと思います。今すぐ世代交代しましょうとか、解消売却しましょうというわけではなく将来そういった日が来るのを見越して今でできることをやっていただきたい」

来月には引継ぎを終えて、新たなスタートをきるセブンカラーズ石垣島未開拓の地から愛のあるホテルを作ってきた戸田夫妻の思いを受け継ぎ、さらなる飛躍を誓います。

注目ビズ!M&A第二弾!県内×県外企業のマッチング/ビジネスキャッチー

ホテルを受け継いだ江夏支配人は地域の活性化にも貢献していたらと意気込みを語っていました。県の事業承継・引継ぎ支援センターでは県内の金融機関など13社と連携し買い手・売り手となる事業者の情報を共有しているそうです。

後回し後回しにせず、早めに会社の今後を話し合うことも重要です。