沖縄本島北部では、11月9日未明から線状降水帯が発生するなどして断続的に大雨が降り、土砂災害や浸水被害が発生し現地では復旧作業が行われています。
沖縄本島地方や奄美地方では湿った空気の影響で11月9日未明に「線状降水帯」が発生し非常に激しい雨が同じ場所で降り続き、沖縄気象台は、本島北部に「記録的短時間大雨情報」を発表。国頭村西部付近や大宜味村付近では1時間に120ミリ以上の猛烈な雨が降ったほか、この大雨の影響で大宜味村津波にある平南橋付近の国道58号で土砂崩れが発生し地元の人たちが、道路を塞いだ倒木や土砂を搬出するなどの対応に追われていました。
このほか、複数の土砂崩れや、河川の氾濫による冠水被害も確認されました。冠水被害を受けた人は「軽バンの天井の所まで水が来てしまったので、軽バンの上に妻と一緒に避難して、近くにあった木をずっと押さえていた」と話しました。
また、東村平良では、川沿いにある住宅の一部が、十数メートルにわたり崩落しました。住民の男性は「トイレのドアを開けたら(建物が)なくなっていた。なんだこれはとビックリして、辺りを見回したら(建物の一部が)ずれ落ちてるから、これはえらいことだなと思った」と話しました。
大宜味村では、浄水場が床上浸水により送水機能が停止し、広範囲で断水が発生していて、国道331号や東村と大宜味村を結ぶ県道が土砂崩れにより通行止めとなりました。
この大雨は、11月10日も続きました。午前7時半からの1時間で11月の平均値に近いおよそ110ミリの猛烈な雨が降ったほか国頭村では午前6時までの1時間に、159ミリの雨が降ったとみられ、気象庁は、災害が発生する危険が迫っているとして「記録的短時間大雨情報」を相次いで発表しました。
大宜味村喜如嘉地区では午前7時半に危険度の最も高い警戒レベル5の「緊急安全確保」が出されたほか、東村では、11月10日までの48時間雨量が639ミリと過去最多の雨量が観測されるなど記録的な大雨となりました。
大宜味村田嘉里では、車のタイヤが半分以上浸かるほどの高さまで水がたまり、村道では、大きく穴があいたように道路が崩落している場所も確認がされました。
船越遼太郎記者は「こちらの土砂崩れの現場ではかなり大きな木が道路をふさいでしまっています」と伝えました。
11月11日上空から見てみると東村では至るところで土砂崩れが発生し土砂や木が道路をふさいでしまっている様子や道路が崩れ落ちている様子などが確認できました。
船越遼太郎記者は「このあたりがはあたり一面が土に覆われていて、かなり広い範囲に渡って水や土砂が流れ出たことが伺えます」と伝えました。
また国頭村の奥間川付近にある施設の敷地内では、土砂に覆われ重機による撤去作業が行われていました。大宜味村では、現在でも村のほぼ全域にあたるおよそ1700世帯の断水が続いていて、復旧のめどは立っていないということです。
県によりますと、これまでに国頭村・名護市・大宜味村で床上浸水が14件、床下浸水が12件、確認されていますが、いずれもけが人などはいないということです。
県は、11月11日池田副知事を現地に派遣して被害状況など確認しました。
池田副知事は「県として市町村の取り組みへの支援を含め速やかな復旧に向けて関係部局連携してしっかり取り組んでいきたい」と述べました。
そして玉城知事は「1日も早い復旧に向けて、あらゆる方策を講じて全力で取り組む」とコメントを出しました。