20日にアメリカ・フロリダ州で開幕するスタンドアップパドルボード(SUP)の世界選手権。沖縄からは5人の選手が出場します。
”座間味から世界へ”をめざす選手たち、名護市から世界4団体制覇をめざす選手にそれぞれ意気込みを聞いてきました。
寺崎未来アナウンサー「座間味島にやってきました。ここにSUPで世界をめざす選手がいるということで、その練習に迫ります。」
美しいケラマブルーに浮かび、列をなしてSUPをこぐのは、「Paddle Team 櫂」のメンバー。地元・座間味村出身の宮平琥太朗(17)西川竜真(15)と東京都出身の奥秋李果(31)の3人の選手は、20日からアメリカ・フロリダ州で行われる国際カヌー連盟・ICF主催の世界選手権に出場予定です。
奥秋李果選手「(練習)環境はとても良い、”日本一”です」
大学卒業以来、ライフセーバーとして座間味島で働く奥秋は7年前にこの島でSUPと出会いました。
奥秋李果選手「海から艇庫、家も近い環境が私たちを強くしたのが一番だと思う」
座間味島で生まれ育ち、ともに幼い時から、SUPに親しんできた宮平と西川の2人は、ICFではU18ジュニア部門で出場予定。座間味島周辺では、島が点在するため、様々な状況の波や風の中で練習できるといいます。
そんな練習が功を奏したのは、9月に行われた国際サーフィン連盟・ISAが主催する世界選手権。
宮平琥太朗選手「勢いづけてバトンを渡したいと思っていたのでそこで頑張れてジュニアチャンピオンになれたと思う」
宮平琥太朗がU18のテクニカルで優勝、それに続き、奥秋李果はメンバーに入ったチームリレーで優勝を果たしました。島に帰って優勝パレードを行うと、多くの地元の人や観光客が祝ってくれたといいます。
澤本さんインスタスタグラム優勝パレード映像
奥秋李果選手「思った以上だった。こんなにもたくさんの人が私たちを応援してくれて帰りを待ってくれたというのが想像していなかった。」
個人種目での優勝を狙う奥秋、ISAとICFのジュニア2冠を目指す宮平、初のジュニア部門に挑む西川、3人は、”座間味から世界へ”を合言葉に日々練習を積んでいます。
宮平琥太朗選手「3種目ジュニアで優勝と島の人たちにメダルを持って帰れるようにICFで頑張る」
西川竜真選手「ジュニアのトップランカーだと世界に知らしめたい」
奥秋李果選手「ICFでは目標としている個人種目での優勝を取りに頑張りたい」
座間味島の海で切磋琢磨してきた3人が世界の舞台で飛躍をめざします。
荒木珠里選手「本当に気合いは入っていますねー4団体統一することで本当にチャンピオンになれると思う」
一方、朝焼けがまぶしい午前7時から海でパドルを持ち続けるのは荒木珠里。史上最年少18歳にして、世界の主要4団体・全ての大会で年齢制限のないオープンクラスでの制覇をめざしています。
これまで、APPワールドツアー、ユーロ世界ツアー、ISAと3つの大会・いずれも史上最年少で王者に輝きました。最後に残すのが2回目の出場となるICFです。
この日行っていたのは800mのコースで競う「テクニカル」の練習。初出場となった去年のレースで8位と振るわなかった悔しさを胸に1年間取り組んできました。
荒木珠里選手「一つのミスも許されないし逆に他の選手がミスしているところで自分がうまくできたら、それだけでも大きな差になると思う。」
世界の選手と差をつけるために強化しているのが、効率的な「ターン」。これまでパワーで上回る年上の選手たちと戦ってきた荒木。18歳となり、体格もついてきましたが、それでも、フォームにこだわる緻密なSUPのスタンスは変えません。
荒木珠里選手「練習からレースと同じような練習をしたり細かい戦略をお父さんと練ってやってきているので海外の選手と戦っていきたい」
すでに持ち合わせている「波風を読む力」にパワーを兼ね備え、史上最年少での4団体制覇へ。年上の海外選手に立ち向かいます。
荒木珠里選手「これまで積み重ねてきた練習の成果を全部発揮して自信過剰にならず力をすべて出し切れるように頑張りたい」
沖縄の海で鍛錬を積んできた選手たち。20日からの世界選手権、それぞれのカテゴリーで世界一をめざします。
みなさん活躍を期待しています。それから今回のICFには、9月のISAで3冠を達成した田口頼選手も出場します。今回、田口選手には私たちの都合でお話を伺うことができなかったのですが、必ずみなさんにお伝えします。