斎藤佑樹さんや田中将大投手が出場していた2006年の夏の甲子園。この夏の沖縄代表は県内の離島から初出場を果たした八重山商工で、全国的にも注目されました。その中のひとり、プロ野球を選ばず、社会人野球の沖縄電力でプレーを続けていた金城長靖選手が現役生活に幕を降ろしました。
金城長靖選手「最後の打席、楽しみながら頑張ります。」
沖縄電力の金城長靖(きんじょう・ながやす)選手。
場内アナウンス「バッターは金城。八重山商工高校」
沖縄電力野球部をけん引して18年目、現役生活にピリオドを打つ決意をしました。
妻の金城綾乃さん「最後はもう思いっきりフルスイングでホームラン狙って欲しいです。」
子どもたちも、その姿を目に焼き付けようと声援を送ります。
八重山商工の選手として臨んだ2006年の夏の高校野球沖縄大会決勝でスコアボード直撃のホームランを打つと、甲子園でも。バックスクリーンに3ランホームラン!大活躍!
投げては145キロのストレートを武器に大嶺裕太たちと八重山旋風を巻き起こしました。その活躍が認められ「斎藤佑樹」や「田中将大」らと共に投手として日本代表にも選ばれました。しかし、金城選手はプロの道を選びませんでした。
金城長靖選手「斎藤佑樹だったり田中将大、そういったメンバー見て「ちょっと今じゃないな」と自分の中でなんか、今、このステージに行く状態じゃないって思って、社会人という道を選びました。」
自ら選んだ社会人野球。しかし、決して甘いものではありません。
金城長靖選手「一年目は、ちょっと天狗になってたというか、「打てるだろう」という浅はかな考えで、実力もあまり伸びなかったのでそれだったら、「少しでも長く、後悔しないように野球を続けよう」って気持ちで取り組んでいったら、自然と周りも見えてきて」
自分を見つめ直し地道な努力を続けた金城選手チームの信頼を得て沖縄電力の主力として全国の大舞台都市対抗野球に出場しました。
金城長靖選手コメント「社会人野球やってる人すべてがめざすステージだなって思いますし、大人が、泥臭くやってる姿を1人でも多くのファンに見せれたらいいかなと思います。」
沖縄電力 平田太陽 監督「仕事をしながら野球を18年ですかね、長く続けた、本当にレジェントと言って良いんじゃないですかね。」
沖縄電力 田場亮平 キャプテン「テレビの前でずっと観てた大スターの方と一緒に野球が出来てとても光栄です。」
そんな金城選手、現役最後の大会。現役最後の打席18年間のすべての思いをバットに注ぎます。フルスイングのファウルチップにも歓声が上がります。
金城長靖選手「最後に打席に立ってうれしかったし、後悔してないんで、やり切った感で今はいっぱいです。」
ゆっくりとベンチに戻る金城選手は何を思うのか。
金城長靖選手「最後は、自分で決めたほうが後悔しないので、決めたことに対して突き進むというか、目標に向かって頑張っていくしかないと思うので、それだけですね。」
高校野球でヒーローになった金城選手、多くの仲間に囲まれた野球人生これからは、指導者としての新たな道のりを歩みます。