最初は食のバリアフリーに取り組むホテル業界のニュースから。テレビをご覧の皆さんは「嚥下障害」をご存じでしょうか。「嚥下障害」は水分や食物を口から食道・胃へ送り込む動作がうまくできなくなることで硬いものなどが食べられず外食の際に食べられるメニューがないのが現状です。
そんな中、多くの観光客が訪れる沖縄で嚥下障害がある子どもたちやその家族に旅行や食事を楽しんでもらおうと那覇市のホテルが立ち上がりました。
夕食の時間帯に那覇市のパームロイヤルNAHA国際通りを訪れたのは旅行で沖縄に来ている嚥下障害を持つ子どもとその家族などです。
今回このホテルでは嚥下障害のある子どもやその保護者にも食事を楽しんでもらおうとホテル側が嚥下障害のある子どもにも対応した料理を提供する企画に取り組みました。
パームロイヤルNAHA国際通り高倉直久・総支配人は「嚥下障害をお持ちの方が旅行に行く時に親は楽しんでご当地の食事をできるが、子どもはいつもの流動食しか食べられないということだったので(企画した)」と意図を語ります。
この日のメニューは県産食材を使ったバーベキュー。子どもたちには保護者が食べるものと同じものをスタッフが障害の程度にあわせた硬さのペースト状にして提供しました。普段旅行や外食に行くのをためらうことも多いという中このような施設があることで旅行などのハードルは低くなると保護者は話します。
嚥下障害のある子どもの母親は「そこに行ったら食べられるものがあるというだけでも少し気が楽になるし楽しみにもなる。みんなが楽しめるような社会になればもっといろんな人がでかけられるようになると思うので食のバリアフリーは大事なことだと思う」と期待を込めました。
ホテル側も旅行をためらってしまうことのないような環境をつくることで観光立県沖縄の新たな魅力向上につなげたいとしています。
パームロイヤルNAHA国際通り高倉直久・総支配人は「沖縄のいろんな施設では嚥下障害の方々の対応ができるという優しい島になっていけるきっかけになればと思う」と話していました。
子どもたちとその家族は沖縄で過ごすひと時と食事を十分堪能したようです。
高倉総支配人によりますと、今回の企画をきっかけに嚥下障害のある方への対応などを検討する中で、難しいことではないことがわかったということです。また保護者からは「同じ物を一緒に食べる喜びを感じられることが幸せ」という感想もありました。
忘れられない思い出を残してまたぜひ沖縄を訪れてほしいです。