きのう投開票が行われた衆院選。全国的には自民党に逆風の選挙戦といわれ自民公明が過半数を割る結果となりました。4つの選挙区で争われた沖縄では玉城知事を支えるオール沖縄が2勝、自民2勝と選挙前と同じ結果となりました。
県内4つの選挙区であわせて16人が立候補した衆議院議員選挙はきのう投開票が行われ、当選者の顔ぶれが決まりました。
那覇を中心とする沖縄1区は共産党の赤嶺政賢さんが小選挙区で4連勝を果たしました。赤嶺さんに及ばなかった国場さんは比例での復活当選。落選したら「政界引退」を表明していた下地さんも及びませんでした。
当選した・赤嶺政賢さん(共産)「沖縄県民の基地に対する不条理な思いがですね、やっぱり私の勝利となって現れてますし、政府はその辺もですね、よく受け止めてほしいと思います」
比例で復活当選・国場幸之助さん(自民)「やはりこれは自民党も長らく政権を担当してきて緊張感を失ったり、国民目線の感覚を失ったり、反省すべき点は多々あったとこのように感じております。」
落選した・下地幹郎さん(無所属)「私は政治はおります。もう政治はやりません。もうこれからはしっかりとですね、一市民として自分が歩んでく道を、また皆さんにご相談しながらですね、やっていきたいというふうに思っております」
浦添市や宜野湾市などを含む、沖縄2区では社民党の新垣邦男さんが、社民党で全国唯一の議席を守りました。自民党の宮崎さんが比例で復活当選を決めています。
当選した・新垣邦男さん(社民)「県民の思いをしっかり国政に届けていく。当然辺野古の新基地問題については、私は当初からこれは駄目だと思っていますんで、断固反対していきたいと思っています。」
比例で復活当選・宮崎政久さん(自民)「いかなる事情でも勝ち上がってくる候補者もおるわけですし、有権者のみなさまのご判断は尊いものでありますから、私が力不足であったからこういう結果だったと私は受け止めています」」
大激戦となった沖縄3区。自民党の島尻安伊子さんがおよそ1800票差で立憲の屋良さんを破り2回目の当選を決めました。屋良さんは比例での復活当選となっています。
当選した・島尻安伊子さん(自民)「(子どもの貧困対策は)もっとバージョンアップしていかなければならないところも見えて参りましたので、ここにきちっと光を当てていくということをこれから4年間頑張っていきたいと思っています。」
比例で復活当選・屋良朝博さん(立憲)「引き続き沖縄の声を国会へ、玉城知事を支えて沖縄の生活暮らしを守りながら沖縄の基地問題の解決に向けて全力で尽くしていきたい」
4人が立候補した沖縄4区では自民党の西銘恒三郎さんが新人3人を破り7回目の当選を果たしました。れいわの山川仁さんが、比例で復活当選となりました。沖縄から初めてれいわ選出の国会議員が誕生しました。
当選した・西銘恒三郎さん(自民)「しっかり市町村議会、県議会、国会、、首長、また多くの多くの県民の声をしっかりと国会に届けられるように、今一度原点に立ち返って頑張らなきゃなという思いでいっぱいであります。」
落選した・金城徹さん(立憲)「多くの皆様から頑張れや自民党に負けるなというような声もいただきまして、そういう中での選挙運動でございました」「ただ、残念なことに私自身の力が足りなかったということでございます」
また九州比例単独で出馬していた公明党の金城泰邦さんも当選を果たしています。)選挙前と同じ玉城知事を支えるオール沖縄勢力が2勝、自民2勝となった今回の衆院選の結果を受けて玉城知事は。
玉城知事「れいわ新選組という新しい枠組みが比例ではありますけど誕生したということで、今後もそういうような世代交代と新しい流れがある中で、1区2区は従来の牙城を死守したという意味でも、県民の非常に複雑な感情の中にあっても守るべき所は守るべきであるような投票・行動も見られたのではないか」
今回の選挙の投票率は前回2021年より4.94ポイント低い49.96%と50%を下回り 衆院選で過去最低の投票率となりました。
衆院選 記者解説
衆院選について、船越記者とお伝えします。今回の結果は、玉城知事を支えるいわゆる「オール沖縄」勢力が2勝、自民が2勝という結果になりましたが、この結果をどのように見ていますか?
船越記者「今回の選挙は自民党のいわゆる「裏金問題」によって全体の結果をみると自民公明が過半数を割るという結果となりました。県選出の自民党国会議員はこの「裏金問題」を指摘されていませんでしたが各選挙区の自民党候補者や陣営関係者から「厳しい選挙戦だった」との声が多く聞かれ、自民党県連幹部もこの逆風は「台風だった」と表現しています。」
「ただ、選挙前と変わらない2勝との結果には台風と表現した逆風の中で「頑張った」としていて、いわば耐えることができたというふうに捉えているようです。」
船越記者「これをオール沖縄側から見てみると、「台風」とされる逆風の中で選挙前と変わらない結果だったことからすると「勝ちきれなかった選挙」と言えるかもしれません。」
この逆風の中、自民が2つの選挙区で勝てたこと、あるいはオール沖縄が勝てなかった理由はどう見ていますか?
船越記者「まず激戦となった3区ですが、3区で大票田となる沖縄市、うるま市、名護市の3つの市の投票数では屋良さんが上回っていました。それだけに屋良さんの陣営もかなり手ごたえを感じていたようなんですが、他の11の町村のうち8つで島尻さんの陣営が屋良さんを上回っていて幅広い組織力を生かして、なんとか逃げ切ったという印象です。」
船越記者「そして4区ですが、こちらはオール沖縄側が候補者を一本化できなかったことが響いたかと思います。4区の候補者選考をめぐっては、オール沖縄側がれいわを入れて候補者選考を行うも決裂し結果的に革新票が分散しました。今回立憲の金城さんとれいわの山川仁さんが獲得した票を単純に足すと当選した西銘さんを上回っていて、一本化ができていれば結果は変わっていたかもしれないという選挙となりました。」
今回の選挙結果は今後にどう影響するんでしょうか。
船越記者「来年には参院選、再来年には県知事選を控える中、自民党としては、県議選で大勝するなど勢いづいていた中だっただけに今回、自民党全体についた「政治とカネ」のイメージを払拭し信頼回復に努められるかがポイントとなりそうです。」「またオール沖縄側についてはれいわ新選組の山本太郎代表は応援に入った際、「オール沖縄の歴史な的役割は終えた」と言及するなど一枚岩になり切れていないのが現状で今後迎える選挙に向けオール沖縄のあり方の見直しが求められると思います。」
今回の衆院選の結果、比例もあわせて沖縄からは選挙前から1人増えた9人の国会議員が誕生しました。政治への信頼回復や各候補が選挙戦で訴えた公約の実現、また沖縄の声を国にどう伝えていくか、この9人は求められています。