各選挙区とも激戦が続いているようです。10月27日投開票の衆院選を前に朝日新聞が県内の有権者を対象にインターネットによる情勢調査を実施しました。
調査は、10月19日と10月20日の2日間インターネット調査会社4社に委託し、各社のモニターのうち県内の有権者を対象に実施し、4150人から有効回答を得ました。取材を加味して情勢を探りました。
那覇市と周辺離島の1区では、共産の前職、赤嶺政賢さんと自民の前職、国場幸之助さんが競り合っています。無所属で元職の下地幹郎さんと参政の新人、和田知久さんは厳しい戦いが続いています。
浦添市・宜野湾市と中頭郡で構成する2区では、社民の前職、新垣邦男さんと、自民の前職、宮崎政久さんが、互角の展開になっています。維新の新人、赤嶺昇さん、参政の新人、今野麻美さん、無所属の新人、比嘉隆さんは、伸び悩んでいます。
沖縄市・うるま市・名護市と国頭郡などで構成される3区では、自民の前職、島尻安伊子さんがやや優位に立っていて、立憲の前職、屋良朝博さんがわずかな差で続いています。参政の新人、新城司さんは苦しい情勢となっています。
豊見城市や本島南部の市町宮古・八重山で構成する4区では、自民の前職、西銘恒三郎さんが安定した戦いぶりで、立憲の新人、金城徹さんはリードを許しています。れいわの新人、山川仁さん、維新の新人、山川泰博さんはともに支持に広がりが見られていません。
ただし、調査時点では4割程度の有権者が投票態度を明らかにしておらず、情勢は終盤にかけ変化する可能性があります。
衆院選・沖縄1区 候補者の顔ぶれと訴え
投開票まで1週間となった衆院選。各地で候補者が自身の政策や考えを訴えています。QABでは今週、特集で各選挙区の状況をお伝えします。きょうは各選挙区の4人が立候補した那覇を中心とする沖縄1区の候補者の顔ぶれと訴えを紹介します。
沖縄1区には届け出順に無所属で元職の下地幹郎(しもじ・みきお)さん、自民党公認の前職、国場幸之助(こくば・こうのすけ)さん、参政党公認の新人、和田知久(わだ・ともひさ)さん、共産党公認の前職、赤嶺政賢(あかみね・せいけん)さんの4人が立候補しています。
前回2021年に議席を争った、下地さん、国場さん、赤嶺さんの3人に和田さんを加えた4人で争う構図となりました。
前回に引き続き無所属での選挙選に挑む下地さん。今回の選挙で当選しなかった場合、政治家を引退すると明言していて「最後の挑戦」と位置付けて、選挙に臨んでいます。
下地さんは今回、「貧困の撲滅」を重点に置き、教育費の完全無償化や低所得層の所得向上を掲げているほかこれまでの実績などを活かして、沖縄を活性化させると訴えています。
無所属・元 下地幹郎候補「私たちが沖縄をつくる。農業も水産業も安全保障も経済も、すべての問題を沖縄の人が考えて沖縄の人が物事をつくっていく。そんな沖縄に皆さん変えましょうよ、本気で。この選挙なんとか勝たせていただいて、この沖縄を一緒に夢のある元気な沖縄にして次の世代につないでいきましょう。」
5期目に挑む、自民党の国場さん。自民党のいわゆる「裏金問題」について、自身は指摘されていないものの「党として猛省しないといけない」としています。
そのうえで衆院選は「政権選択の選挙」だとして自民公明の連立政権の実績などをアピールしているほか今回の選挙の争点を「経済」と位置づけ、物価高への対応や賃金の上昇などを訴えています。
自民・前 国場幸之助候補「子どもの貧困を解決していくためには大人の経済状況、大人の貧困を是正していかなければなりません。ですからボトムアップから、分配から、所得を向上させるところから力を入れて生活を守る。これを言葉だけではなく、現実の政治としてできるのは自民党・公明党でしかありません。」
総決起大会 党の総決起大会で候補者自ら椅子を並べていたのは、参政党の和田さん。現役の琉球大学教授で、今回初めて選挙に挑戦します。
参政党の公認候補として、党が掲げる積極財政と減税による経済成長を主張しているほか日本の国土を守る観点から、アメリカ軍基地の問題は全国の問題だと訴えます。
参政・新 和田知久候補「東京の上空にも米軍基地が管轄する、たくさんの県にまたがる空域がある。そういう意味では沖縄もアメリカにやられているし、東京もアメリカにやられているし、他の地域もやられているわけです。そういう意味では日本全体が一緒になって、オール日本人で合体してグローバルリズム、世界から来る悪い人たちに対抗する必要がある」
この選挙区で3連勝中の赤嶺さん。今回9期目を目指して選挙戦に挑んでいます。
これまで8期衆院議員を務める中で、国会で辺野古の問題を多く取り上げて追及してきたことなどをアピールし今回の選挙でも辺野古新基地建設反対などを訴えるほか消費税の5%への引き下げなども公約にあげています。
共産・前 赤嶺政賢候補「沖縄の平和の心を私達沖縄県民がつなぎあわせて、絶対に負けない。辺野古の新基地建設はストップだ、ここで思いをひとつにして地の底から県民総ぐるみの戦いに立ち上がろうではありませんか。」
物価高をはじめとする経済の問題や基地問題、沖縄振興や子どもの貧困など、問題が山積する中県都・那覇市を中心とする沖縄1区の候補者は、残り6日間の選挙戦で有権者に支持を訴えます。