今週日曜日、高校バスケウインターカップ県予選決勝が行われます。今年女子取材・実況担当の戸田アナウンサーです。
戸田アナウンサー「よろしくお願いいたします。今年の女子の決勝は「石川対西原」の組み合わせになりました。」
去年の王者・石川とおととしの王者・西原の対戦ですね!
戸田アナウンサー「まさに強豪同士の対決で楽しみです。今日はこの2校の決勝に挑む思い(です)をお伝えします。」
西原 ~チーム力の鍵はコミュニケーション~
おととしまで大会5連覇を果たした西原は去年の準決勝で石川に敗れました。今年はその石川と決勝での対戦、王座奪還に燃えています。
チームは留学生相手にも対応できるよう「デイフェンス力」を強化!その分コート内5人のポジショニングや動き方が複雑になりましたが、連携を強めるため今まで以上にチーム内で「コミュニケーション」をとっています。
西原 宮城 陽菜 選手「課題の一つにコミュニケーションがあがってチームが良くなるためにはまず技術の前にしゃべることだったからそこを意識した」
西原 砂川 佳奈 選手「コミュニケーション能力は身についたと思っていてミスした時とかにお互いで話し合う場面が多くみられて自分にとって印象的」
練習中も選手同士が積極的に集まり、話す時間が増えました。
今大会準決勝では小禄を相手に最大26点差をつけられましたが、第4Q・残り1秒で同点に追いつき延長戦を制して勝利。大逆転のカギとなったのもチームで磨いてきた「コミュニケーション」です。
西原 砂川佳奈 主将「タイムアウトの時に少しでも時間があったら自分たちで「ここはこうした方がいいよ」とか「パスもっとこっちに欲しい」とか「ここを抑えてほしい」とか「ここカバーしようね」とみんなで話し合えた」
西原 久手堅 梨帆 選手「がむしゃらにディフェンスとか、倒れるぐらい走ろうと話し合った」「(勝てたのは)1人ひとりの勝ちたいという気持ちが共有されていたから」「(磨いたコミュニケーションは)試合の絶望的な時だったりチャンスになった時みんなで集まって一致団結するときに活躍した」
連携を強めるために磨いたコミュニケーション。プレーや技術の向上につながっただけでなく互いの気持ちや思いも共有されるようになりそれがチーム力の強化にもつながりました。
西原 宇久田 朋操 選手「コート内でも声が出てきてチームも明るくなってディフェンス力も上がっているそこを石川戦でぶつけていきたい」
西原 石川 佳奈 主将「石川高校は今の3年生が主体になってくると思うのでリベンジして絶対に倒して自分たちが強いというのを見せたい」
石川 ~時代を築いてきた3年生の絆~
一方、去年初優勝を手にし、新たな時代を築いた石川。西原を全国ベスト8に導いた崎浜秀勝監督が3年前に就任、今年の3年生はその後入学した選手たちです。
入学当時の部員はとても少なく1年生だけで活動した時期もありました。そのため3年生は1年生の頃から主力として大会に出場。結束を強めてきました。
石川 小底実夢 主将「1年生の時は勝利することがあまりなくて勝つことに苦しさを感じた時もあった」「1日たりとも休まずコートに立ち、みんなで頑張ってきた」
石川 宮城 梨杏 選手「3年生は1年生の時から(一緒)」「みんなと切磋琢磨できてつらい時もみんなと共有して」「家族じゃないけど友達とかチーム仲間以上の存在かなと」
仲間以上の特別な存在。そんな3年生たちにとってウインターカップは最後の大会。3年生全員で初の2連覇を達成したい強い思いがありました。しかし。
石川 宮城 梨杏 選手「全身性エリテマトーデスという国に指定されている難病に今年5月ごろ診断された」「大きい病気にかかったことがなかったからびっくりした」「『これからどうなっていくのかな』という心配と不安でいっぱいだった」
3年生の宮城さんが診断を受けたのは全身性エリテマトーデス。通称「SLE」発熱や倦怠感、関節の痛みなどの症状が出る国指定の難病です。
石川 城間瑠華 選手「聞いた時とてもびっくりして」「友達がこんな思いだったのを気づけなかった思いと」「梨杏のためにもチームで勝っていきたいという思いがあった」
石川 小底実夢 主将「本人は『大丈夫?』と言われるより一緒に頑張ろうと言われる方が絶対にうれしいし」「本人もコートに立ちたいと言っていたので自分ももっと頑張ろうと思った」
石川 宮城 梨杏 選手「みんなに伝えることは本当に怖かったし何と思われるか分からなかった」「伝えて部活に戻った時にいつも通り優しく接してくれて」「『大丈夫?』というより」「いつも通りふざけたりとか楽しかったのでそこがうれしかった」「(気持ちを分かってくれるのは)家族よりも長い時間を過ごしているからかなと思う」
全員が同じクラスで朝から夜まで長い時間をともに過ごしてきた3年生。難病が分かっても宮城さんがバスケを続ける理由には仲間の存在があります。
石川 宮城 梨杏 選手「コートに立ちたい思いはあるけど」「チームとして全国ベスト4に入ることをずっと目標にしてきたので」「自分が今できることをしっかりやっていく」
石川 城間 瑠華 選手「小学校・中学校から一緒にバスケットをやらせてもらって」「たくさん思い出もあって本当に大切な友達」「チームのことを一番に考えてくれて」「試合に出られない分悔しい気持ちもあると思うけど」「その思いを自分がコートで発揮できるようにしたい」
今年は決勝から留学生も加わることになり後輩とともに培ってきた絆で初の2連覇を目指します!
石川 小底実夢 主将「3年生は最後の集大成」「3年間の思いも強い」「同じ目標・目的に向かって100点ゲームしたい」
石川 宮城 梨杏 選手「最後なので3年生みんなでアリーナでガッツポーズしたい」
西原は、第3Q残り4分半の時点で最大26点差をつけられたら厳しいと思ってしまいそうですが、そこからの逆転劇、信じられなかったですね。
戸田アナウンサー「その逆転劇の裏には連携を強化するために磨いた「コミュニケーション」があったんですね。プレー面だけでなく互いの気持ちなど心情の部分もより共有されるようになりそれが試合中絶望的な場面やチャンスの場面、一致団結する場面で生かされているという事でした。
石川は、難病になってしまった宮城梨杏選手。今はプレーできている?
戸田アナウンサー「コートに立てても1分程度と、かかなり制限される状況なんですがそれでもチームがずっと目標にしてきた全国ベスト4入りを共に達成するため、後輩へのメンタルケアや選手たちのサポートなど自分に『今できること』をしっかりやっていくという事です。」
それぞれの思いを胸に選手たちは決勝戦を戦います。20日日曜日 女子は午後1時20分からLIVE配信の予定です。あすは男子の見どころをお伝えします。