琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊和雄さんです。よろしくお願いします。
湊和雄さん「よろしくお願いします。」
さて今回のテーマはこちら「日本最大 オオジョロウグモ」
湊和雄さん「オオジョロウグモは日本最大のクモなんですね。時に小鳥を食べてしまうこともありニュースになります。」
えーーーっ!
湊和雄さん「そのオオジョロウグモ、今月でそろそろ活動の季節を終えます。どのような生活をしているのか見てみましょう。」
見たいような見たくないようなVTRどうぞ!
湊和雄さん「これはリュウキュウアブラゼミを捕食しているオオジョロウグモの雌です。リュウキュウアブラゼミと言えば、セミの中でも大きな種類ですよね、体の大きさを比べてみてください」
セミとほぼ同じ大きさですね。
湊和雄さん「但し、このオオジョロウグモはちょっと小ぶりなんです。」
え!
湊和雄さん「こちらはさらに大きなクマゼミ、日本最大級のセミで体長60から70mmあります。このオオジョロウグモの雌は成長した標準サイズです」
クマゼミと比べても充分大きいのが分かりますね。
湊和雄さん「オオジョロウグモの雌は脚を含めない体長は35から50mmですが、脚も含めた全長は20cm前後にもなります。」
大きいですね。
湊和雄さん「ここで、クモ全般の餌の食べ方を解説しましょう。網に餌になる昆虫が掛かると、逃げられないように糸を巻きつけます」
最近フトンを巻いてるような(最近コインランドリーに行きました)
湊和雄さん「それから食べ始めますが、かじってもその断片を呑み込みません」
なぜなんでしょう?
湊和雄さん「口から消化液を出して溶かして液状にしたものを吸い込むのです。しかし、オオジョロウグモなどは鋭い牙を持っていて噛まれるとかなり痛いですから、注意しましょう。」
怖いですね。
湊和雄さん「食事の次は繁殖の話をしましょう。これもクモ全般に共通したものです。この雌は、黄色い模様の消えた黒色型と呼ばれるタイプです。そこに近づくオレンジ色の動物は、実はオオジョロウグモの雄なのです」
小さいですね。
湊和雄さん「雄の体長は7から10mmしかありません。雌雄で大きさが異なるペアを「蚤の夫婦」と言いますが、それ以上の差ですね。」
湊和雄さん「ここからが繁殖行動ですが、クモは昆虫のような交尾はしません「交接(こうせつ)」と呼ばれます。雄はそれ専用の網を張り、そこに精子を放出します、それを蝕肢(しょくし)と呼ばれるオタマのような器官口の横にある黒い部分ですくい取ります。それを雌の腹部にある開口部に流し込みます。雌は、産卵までその精子を体内で保存するのです。」
湊和雄さん「雄よりも大きな雌は、近づく雄を食べてしまうことも少なくないです」
命懸けの繁殖行動ですね。
湊和雄さん「さらに雄同士の闘いも待っています」「雌の張った網には、複数の雄がいることがほとんどです。命懸けで雌に近づく雄は1匹だけではありません。複数の雄が同時に近づいて争うことも観察されます。そして、その雄にもサイズの差があるんですね。」
さらに大きな動物も捕食したりするのでしょうか?
湊和雄さん「最初にお話した小鳥を食べること、メジロなどの小鳥ですが、ときどきニュースにもなります。しかし、私は47年間の沖縄での撮影生活で、未だ遭遇したことがありません。いつか撮影してみたいと思っています。」
見たいような見たくないような、今回も貴重な映像ありがとうございました。リュウキュウの自然でした。