学力の面や対人関係で悩みを抱え不登校になった中学生をケアする大学生のボランティア”大学生少年サポーター”増え続ける若い世代の薬物乱用を防ごうと新たな取り組みに挑戦しました。
教えている様子「マイナスかけるマイナスは?」「プラス」「そう プラスになるね、つぎじゃあ、マイナスかけるプラスのときは何になりそう?」「マイナス」「オッケーそうそうそう」
少年たちに勉強を教えている彼らは、県警からの委嘱を受けた大学生少年サポーターです。県内で80人ほどがいて、週に1回から2回県内の担当の学校などに出向き、様々な理由で不登校となった子どもたちに学習支援などを行います。サポーターの鉢嶺侑(はちみね・ゆうり)さんと亀甲光司(かめこう・こうじ)さんは、中学生の少年2人に国語や数学を教えます。
大学生サポーター 鉢嶺侑さん「言葉遣いや心の距離感はめちゃくちゃ見えないものだからこそ、みる努力をしながら、言葉を選ぶようにしたり(少年たちに亀甲さんが)来てくれてありがとうって言っていて、あれはめちゃくちゃ私の中ではよかったと思っていて。めっちゃフランクに野球の話とかして、ありがとな、気を付けてよみたいな、めっちゃお兄ちゃんだと思って、そんな感じです。素が多分いいんです」
2人が大切にしているのは少年たちとの心の距離。勉強を教えるだけでなく、学ぶ楽しさを知ってもらうため、コミュニケーションをとりながら授業を進めます。少年たちも授業を重ねるごとに心を開いてきたといいます。
学習支援受ける中学生「(サポーターの2人は)やさしいです。ちょっとだけでも頭がよくなっていると思います。自分のペースで(勉強が)できるのでこっちのほうが力になると思います」
学習支援受ける中学生「わからなかったらすぐ教えてくれるのがいいと思う。(Q.こういう場は自分の中でどんな時間になってますか?)頭がよくなる時間です」
大学生サポーター 鉢嶺侑さん「教えることは難しいけど 少年たちが(問題を)とけるようになって、うれしそうなのが、こっちもうれしくなります」
鉢嶺さんは大学で犯罪心理学を学ぶなかで少年の非行などに関心を持ち、将来子どもたちのためになる仕事をしたいと模索する中、今回新たな取り組みを始めました。
県警が9月から公式ユーチューブでアップしている薬物乱用防止を訴える動画を鉢嶺さんら大学生のサポーターと警察で力を合わせて制作しています。
みんなでアイデアを出し合いながら違法薬物から自分を守るための対処法を紹介。若い世代で広がりつつある大麻に焦点をあて、友人やネットで知り合った人などから誘われたときに、どう断ればいいのかをシチュエーション別で撮影しました。
大学生サポーター 鉢嶺侑さん「自分が撮られて演技をするというものを全然したことがなかったので、緊張はあるんですけど、これがSNSとかで誰かが見て、防犯につながったらいいなと思います」
県内の大麻所持で検挙された二十歳未満の少年の人数は、過去5年間で見ると2021年の36人をピークに減少していましたが、去年は27人と増加傾向にあり、中学生が検挙されるなど若い世代への広がりが危惧されています。そして 今年に入っては8月までの暫定値ですでに25人になっていて去年の同じ時期より7人増えました。
今回の動画制作で警察の担当者も子どもたちに関心を持ってもらいたいと期待をよせます。
県警少年課 次席「(大学生少年サポーターは)少年たちと年齢が近いということもあって、若い感性を活かして動画を作成することでより少年たちの心に訴えかけるような内容になっていると思います」
県警の公式ユーチューブでは毎週水曜日にサポーターと制作した動画をアップしていて、今後 薬物乱用防止のほかにも様々な情報を発信していくということです。大学生少年サポーターは県内の各地域の中学校での学習支援のほか、子どもの居場所づくりもしている。