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再建工事の進む首里城正殿で、内部の装飾品の制作も進んでいます。そのなかで国王が執務を行う空間に飾られる「刺繍」には、琉球固有の技法が施されていて、その作業の様子が10月7日報道陣に公開されました。公開されたのは、「垂飾」と呼ばれる装飾物制作の様子です。

在りし日の首里城では、国家儀式や政治が行われた正殿1階の御差床正面に飾られていました。縦・およそ24センチ、横・3.6メートルほどの布地には、国王の象徴である1対の龍や火焔、5色の瑞雲の文様などが刺繍で施されます。

今回の復元では緻密かつ大らかな繍いが特徴の「琉球古刺繍」と呼ばれる琉球固有の技法で作業が進んでいて7日は、そのうち瑞雲の制作を担当する20代~70代までの琉球古刺繍保存会のメンバーが集まり技術者の指導を受けながらひと針ひと針丁寧に糸を繍い付けていました。

垂飾の刺繍を監修・制作する寺田貴子さんは「この作業をできる幸せというか、もう縫いながらもう笑うしかないというかうれしい。沖縄でされたであろう技法を今、自分たちの手でそれを追体験しながら、首里城に掲げるものが出来上がっていくというのはとても光栄だし、意義深いし、やりがいがある」と話しました。

また、令和の復元のテーマのひとつが若手への技術継承で、最年少27歳の與座さんも決意を新たにしていました。

瑞雲の刺繍に携わる・與座ジョンロバートさん(27)は「先輩方はたくさんいらっしゃるので、自分がわからないことはもう、とことん聞いて次の世代に残せるように自分が今頑張らなきゃなと思っている。公表した時にみんながワーッて驚くような完成度が高いものを作れたらいいなと思う」と話しました。

垂飾は、今後、県内だけでなく、長崎や京都、神奈川などで並行して作業を進める予定で、2026年7月の完成を目指します。