就任早々、日米地位協定の改定などを打ち出している石破総理。総理の安全保障をめぐる認識について、基地問題に詳しい専門家に見解を聞きました。
石破総理は「地位協定を改定していくことが、日米同盟を強化することにつながると思う」と述べました。
就任した1日、このように強調した石破総理。県などが強く求めてきた、日米地位協定の改定に言及し、玉城知事も肯定的な、見解も示すなど、石破新総理の基地問題に関連する見解が、注目を集めています。
我部政明琉球大学名誉教授は「20年以上前の日米関係で感じたことを述べているように思える。ちょっと古いんだよね」と話します。
こう語るのは、国際政治学者の我部政明琉球大学名誉教授。総理の地位協定改定論の具体策が見えない中、野党も含めた政治の向き合い方について、こう解説します。
我部名誉教授は「(日米地位協定の)非対称性というか不平等性は、協定の以下にある合意の中に存在している。主要政党は、野党も含めて、現状。自民党が造ってきた日米関係を了承している。了承している枠内の中で、今石破首相が考える前提になっていると思う。せいぜい運用改善。永田町で考えている話しは、今の石破政権が、(地位協定改定に)手を付けて何らかの成果を出すということは。偶発的な(米軍関係の)大きな事件以外にはないんじゃないのかな」と話しました。
中谷防衛大臣は「幅広いオプションの中で検討が必要」と述べました。中谷防衛大臣は会見で、地位協定改定には踏み込みませんでした。
我部名誉教授は「石破首相が言っている地位協定の改定がもしかしたら自民党内部から強い反対が出るのでは。大きく変えようとすると、こうした反対勢力をある程度、譲歩した形でしか決着しないのかもしれない。時間的にはずっとかかる。自民党内の説得に、それまで政権がもつのか」と話しました。
石破総理が目指す地位協定の改定は、県民の求めるものなのかはまだ不透明です。議論の推移を県民はどのように見守るべきなのでしょうか。
我部名誉教授は「自分たちの主張をこれまでと同じかもしれないが、明確に伝えるべきでは、具体的に伝えた方が、総選挙後にまた政権がスタートするんでしょう。その政権のスタートについての政策課題を沖縄から提示するという意味でもね、米軍を優先しているという批判はありながら現在まで変更されずに来ている。地位協定については不満という人はいるけれども、『まあいいんじゃないか』というのが多くの国民」と話しました。