めーにちしまくとぅば、きょうは特別編です。18歳以下の若い世代が自慢の歌声と三線の腕を競う「U-18島唄者コンテスト」。その予選が、先月行われました。大会で審査されるのは、もちろん唄三線ですが、それ以外にも重要な部分があるんです。
沖縄で歌い継がれてきた唄や地域の言葉を若い世代につないでいこうと毎年開催されている「U-18島唄者コンテスト」。今回は小学生から大学生までの26人がエントリーしました。そこに初めて挑戦したのは南風原高校「郷土芸能部」のメンバーです。
南風原高校2年 内里美音さん「(全員)通過して、本選ではみんなで戦いたいです」「恋尽ぬ花」
県内で唯一、伝統芸能などを学ぶ郷土文化コースがある南風原高校。さらに部活動として活動する「郷土芸能部」は、全国大会でも数々の実績を残してきた強豪です。仕上がりはバッチリ。しかし、気がかりなことも。
南風原高校1年 五十嵐涼介さん「MCのところもちゃんとしっかり言えるように頑張りたい」
そう、大会では、唄を披露する前に2分以内でしまくとぅばでのスピーチを行う「MC」部分も重要な審査のポイント。参加者のなかには、流ちょうに話す小学生も。
糸満市立光洋小 喜納心春さん「わんぬ んまりじまや いちまんやいびーくとぅ、とぅないぬやー うぬ とぅないぬやー またん うぬとぅないぬ やーぬ やーん。うみんちゅが まんどーいびーくとぅ」
言葉は芸能・文化の根幹。3人は普段から唄や踊りを通して、しまくとぅばに触れてきましたが人前で話すとなると、ドキドキです。
内里美音さん「はいたい、ぐすーよー ちゅーうがなびら。わんねー 南風原高校2年生ぬ 内里美音やいびーん。んまりじまや うふあがりじまやいびーん」
外間凪琉さん「んまりん すだちん やんばるぬ なぐやしが なまや 南風原高校 郷土文化コースんかい かゆてぃ 日々 うみはまとーいびーん」
五十嵐涼介さん「わんや 世宝節や いっぺー かなさる うたやいびーん。」♪世宝節
結果は、2年生の美音さんと凪琉さんの2人が通過。1年生の涼介さんはあと一歩及びませんでした。
五十嵐涼介さん「次は予選突破できるように頑張りたいです」
あれから1カ月。10日後に控えた本選に向けて美音さんと凪琉さん、練習に熱が入ります。2人は予選のあと、審査員からアドバイスを受けていました。
外間凪琉さん「三線はじょーとーだったよという話だったんですけど、うちなーぐちが周りの小学生にも負けてるかもしれないから、うちなーぐち頑張ってねとアドバイスもらいました」
「小学生に負けている」その日から2人はもっとしまくとぅばに向き合うことを決めました。
外間凪琉さん「楽器とか、琉球舞踊とかそういう伝統も大事だけど、方言も大事だと思うんですよ。」「各地域によって違うし、残していく伝統の一つだと思うので」
凪琉さんは祖母・たつ子さんから言葉を教わり、話すことに慣れようとしていました。
外間凪琉さん・たつ子さん電話練習中やりとり「くりまでぃん?」「くりまでぃ ならてぃちょーる うたぬなかから」「くりまでぃ ならてぃちょーる うたから」
もっと自然に話せるようになるにはどうしたらいいのか、凪琉さんは悩んでいました。
外間凪琉さんとたつ子さんの会話「聞き取りはするけど話すのが難しいわけ。」「やらやー(そうでしょう)」「結構方言で話したりするさ、じぃじも ばぁばも。」「話すのが難しいから。なんでなんだろう」「なんでなんだろうって普段 ちかてねーんくとぅ(使ってないから)」「ちちゅんくとぅや ないるはじやしが ふだんから はなし そーらんくとぅ。(聞くことはできるはずだけど 普段から話さないから)」「普段から方言で話せばうまくなるかな」「そういうこと」「ちばりよー」
一方、美音さんは大東島出身。休みを利用して地元に戻り祖母の明美さんと特訓しました。そのときからずっと言われていることは。
電話 祖母・明美さん「なーくんてんぐゎー よんなー。分かる?」美音さん「ゆっくりってことでしょ。」
緊張すると、どうしても暗記した文章を頭の中で追ってしまう美音さん。明美さんはそれが気になっていました。
電話 祖母・明美さん「本読みじゃなくて、本当に相手に自分の歌を聞いてくださいと感情を込めて、なーくーてんぐゎー はまらんでーならんや(もう少し頑張らないといけないね)」「はい!」
本選まであと6日!三線にも、しまくとぅばにも思いを乗せて。一まわり成長した2人が、どんな舞台をみせてくれるのか期待が膨らみます。
U-18島唄者コンテストの本選は、しまとくとぅば県民大会第1部のイベントの1つとして開催。今月15日 日曜日、午後1時30分から糸満市で行われます。予選を勝ち抜いた15人が出場します。くわしくは「しまくとぅば県民大会」で検索してください。
第11回しまくとぅば県民大会2024│沖縄県