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前市長の死去にともない実施された宜野湾市長選挙。きのう投開票が行われ元・市長の佐喜眞淳(さきま・あつし)さんが新人2人を破り当選を果たしました。

松川正則(まつがわ・まさのり)前市長の急逝に伴い実施された宜野湾市長選挙はきのう投開票が行われ、元市長で自民公明が推薦し松川市政の継続を訴えた佐喜眞淳さんがオール沖縄勢力が推した新人の桃原功さんなどを破り、当選を果たしました。

宜野湾市長選 元職の佐喜眞淳さんが当選

佐喜眞淳さん「(松川市政を継承して)普天間飛行場のしっかりとした返還を確実に私の手でやる、そういうことが市民にも評価されたと思う」

佐喜眞淳さん「まずは返還期日の明確化と、そしてその間のある意味負担軽減と危険性の除去をあらゆる方策を講じて、政府といろいろ話し合いをしたいと思いますし、それが市民に対しての、やはり今回の選挙の大切なところだと思いますので、そこをしっかりとやっていきたいと思います」

投開票の様子を見守る佐喜眞さんの陣営の会場には、亡くなった松川市長の家族も遺影を持ち、姿を見せていました。

宜野湾市長選 元職の佐喜眞淳さんが当選

故・松川前市長の二男正志さん「『無事、淳さんが受かりましたよ。安心してください』ということだけですかね。父が手がけたところが形になりつつあるので、そこを受け継いで発展させてほしい」

一方で、給食費や保育料などの無償化などの公約を掲げ、市政刷新を訴えた桃原さんですが、課題となっていた知名度不足を解消することができず及びませんでした。

宜野湾市長選 元職の佐喜眞淳さんが当選

桃原功さん「本当に残念でなりません。すべては私の力不足ということに尽きる。市長というのは公平公正に市政運営をやっていくのが一番の市民が願っていることでしょうから、(佐喜眞さんには)公平公正に市の発展に尽くしてもらいたい」

当選から一夜明け、佐喜眞さんが報道陣の取材に応じ、改めて市政運営に向けた意気込みを語りました。

佐喜眞淳さん「きょうからすでに公務が入っていますので、気を引き締めて与えられた任期4年を全力で全うしたいという新たな気持ちでいっぱい」

宜野湾市長選 元職の佐喜眞淳さんが当選

また早速きょう市役所に登庁すると、当選証書が付与されました。

佐喜眞淳さん「保革問わず、宜野湾市10万人余の市民が喜んでもらえるような、そういう聞く耳を持ちながら市政運営を行いたい」

きょうから本格的に4年間の市長としての任期をスタートさせた佐喜眞さん。松川前市長の市政運営の継承とともに、基地問題をはじめとする課題にどう対応していくのか手腕が問われます。

宜野湾市長選 記者解説

宜野湾市長選 元職の佐喜眞淳さんが当選

キャスター:ここからは船越記者とお伝えします。今回の宜野湾市長選では、亡くなった松川前市長の市政継承を訴えた佐喜眞淳さんが当選しました。勝因はどこにあると考えていますか?

船越記者:評価の高い松川市政の継承を大きく訴えたことが勝因につながったと思います。

宜野湾市長選 元職の佐喜眞淳さんが当選

船越記者:2018年の県知事選に立候補することになった、当時市長だった佐喜眞さんの後継となったのが松川前市長でした。その松川さんは前回の市長選では大差をつけて再選を果たしたほか、今回の選挙で佐喜眞さんと争った桃原さんも松川さんの市政運営については一定の評価をするなど、市政運営は高い評価を得ていました。

船越記者:その松川さんが亡くなったことで行われる選挙ということで、弔いの要素もあったとは思いますが、評価の高かった松川さんの「市政継承」を徹底的に訴えた佐喜眞さんに支持が集まったのではないかとみています。

キャスター:一方で、事実上の一騎打ちの選挙戦を戦った桃原さんは及びませんでしたが、敗因はどこにあると考えますか?

宜野湾市長選 元職の佐喜眞淳さんが当選

船越記者:8期28年にわたって市議会議員を務め、市政野党のいわば重鎮だった桃原さんですが、市長を務めたほか県知事選に2度挑戦した佐喜眞さんに比べると有権者に名前が浸透しておらず、知名度不足を課題として捉えてSNSを積極的に活用するなど、知名度向上に向けた取り組みを行ってきました。

船越記者:しかし、松川前市長の急逝で突如行われることとなった選挙戦は「超短期決戦」だったこともあり、桃原さんの陣営関係者は「佐喜眞さんを上回るための知名度アップには時間が足りなかった」と話をしていました。

キャスター:宜野湾市は大きな問題として普天間基地の問題を抱えています。政府が辺野古への移設を進める中、佐喜眞さんはこの問題にどう対応していく考えなんでしょうか。

宜野湾市長選 元職の佐喜眞淳さんが当選

船越記者:佐喜眞さんは普天間基地の早期閉鎖・返還を求め、その手段として政府が進める辺野古への移設は容認の構えです。今回の選挙戦で、普天間基地が返還されるまでの危険性除去のため政府に対し返還期日の明示を求めることや、辺野古の埋め立てが済んでいる場所に普天間基地の所属機を段階的に移駐することなどを求めるとしていました。

船越記者:政府が進める辺野古への移設は工期が12年かかるとされていて、返還はその後となると、普天間の危険性は放置され続けることになります。

船越記者:佐喜眞さんを推薦した自民党県連の幹部は「普天間の早期返還は大前提」としたうえで「跡地利用のロードマップや街づくり構想は国と宜野湾市で進めていいと思っている」と辺野古で対立する玉城県政を挟まず、国と市が直接やり取りをして市民が普天間基地の返還を実感できるような取り組みを後押ししたいと話しています。