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首里城正殿の再建が進むなか、正面に飾る向拝透欄間と呼ばれる部分の制作の様子をマスコミに公開しました。

「向拝透欄間」は、首里城正殿の顔となる正面・唐破風の下の部分に飾られ、牡丹や唐草、獅子の透かし彫りが施され正面に3枚、両側面に2枚の合わせて5枚あり全長は、およそ12メートルになります。

2026年の正殿完成をめざして、再建工事が進むなか、「透欄間」の制作が2024年8月から那覇市内で始まり、その様子がマスコミに公開されました。

現場では、彫刻家の儀保克幸さんと沖縄の伝統的な建築技術の継承する技術者を育てようと県の人材育成研修を終えた2人が担当していて、9月5日は、儀保さんらが細い彫刻刀を使いながら3・8メートルある板に文様を細かく彫っていきます。

彫刻家・儀保克幸さんは「獅子は百獣の王、牡丹は百花の王といわれるように高貴なものが2つ合わさることですごく品格のあるそういうものにしていきたい。(正殿の)目の付くところにあるので慎重になるべく当時の面影を再現できるように彫っています」と話しました。

建築技術研修を終え、制作に参加している小泉ゆりかさんは、学んだ知識を制作の場に生かす難しさを感じながら作業に取り組んでいます。

彫刻家・小泉ゆりかさんは「これからずっと残っていくであろうものを今の年齢で作らさせていただいて。自分の手で今までの人たちの思いを感じながら作っていけているっていうことが自分のなかではすごく嬉しかったので、より身を引き締めてやっていこと思っています」と話しました。

彫刻家・儀保克幸さんは「沖縄の太陽とか風土みたいなものを自分が育った環境をなるべく作品の中に滲み込ませて。(透欄間が)沖縄でできたんだっていうことをなるべく伝えていきたい」と話しました。

向拝透欄間は、2024年10月、首里城に納品される予定だということです。