きのう1日は防災の日、そして今月5日までは「防災週間」です。1月には能登半島地震、4月には台湾で起こった地震の影響で県内に津波警報が出されました。先月8日にも日向灘を震源とするM7.1の地震があり、南海トラフ「巨大地震注意」が初めて発表されましたね。また先週は本州を台風が襲いましたが、沖縄、その通り道ですから慣れているとはいえ注意が重要です。
このように私たちは危険と隣り合わせで生活しています。いつか必ずやって来る災害に備え今、どんな行動が求められるのか玉城アナウンサ―のリポートです。
玉城アナウンサ―「いつ起こるか分からない、いつ発生してもおかしくない自然災害。私たちは自分の命そして大切な人の命を守るためどんな行動をとるべきなのか防災のプロに話を聞きます。」
訪ねたのは、那覇市防災危機管理課、源河北斗(げんか・ほくと)主幹です。
消防士として被災地に派遣された経験や防災士の資格を生かし、年間70回もの講話を行うなど防災意識の啓発に取り組んでいます。まず発生直後の「命を守るため」できることを伺いました。
那覇市防災危機管理課 源河北斗主幹「(災害時には)マイタイムラインという考え方避難行動計画と言ったりするがこれが必要になってくる」
源河さんが勧める「マイタイムライン」とは避難に備えた行動を事前に整理しておく「防災行動計画」のこと。自治体が公開している防災マップやハザードマップなどを活用し自宅や職場、学校といった身近な場所のリスクを考慮しながら一人ひとりが作成するものです。
那覇市防災危機管理課 源河北斗主幹「台風の時はどのように行動するのか、水害が起こったらどうするのか、津波や地震の時はどうするのかという災害ごとに避難場所が違う場合もあるし行動が違う場合もある」
那覇市防災危機管理課 源河北斗主幹「どのような避難をするのかどこに避難するのか、連絡を取り合う方法はどうするのかと取り決めていて、家族全員でマイタイムラインを共有しておく、その考え方が大事」
そして、被災後にやってくるのがもとの暮らしに戻るまでの自宅や避難所での生活です。源河さんと訪れたのはおもろまちの「新都心公園」
那覇市防災危機管理課 源河北斗主幹「新都心公園って別名「防災公園」という呼び名があるように防災の拠点としての機能がいろいろある。例えばここは緊急的な一時避難場所、あと広域避難場所という大規模災害が起こった時、この公園にたくさんの市民が収容できる避難できる」
那覇市防災危機管理課 源河北斗主幹「特にここ緑化センターの地下にある防災備蓄倉庫があるが、これは那覇市の拠点的な防災倉庫で最大量の備蓄品が保存されている場所となっている」
玉城アナウンサー「これ倉庫なんですか?!」
一見車庫のようですが広さ600平方メートルを超える那覇市最大の”備蓄倉庫”、災害時に国や県から届いた支援物資を集積し、各避難所に分配するための拠点施設でもあります。大量の段ボールの中には水や食料、トイレットペーパー、生理用品に赤ちゃん・高齢者用のおむつなど、被災後に生活を送るための物資が入っています。こうした物資は小中学校など市内83カ所に備えられています。
玉城アナウンサー「(備蓄品は)那覇市のどれぐらいの人のためのもの?」
那覇市防災危機管理課 源河北斗主幹「そうですね、那覇市民が大体32万人の人口がいる、その中の大体5%分ということで準備をしている」
那覇市では本島の南東沖で地震が連動して起こった際に市内の避難者数が最大で、3万7千人を想定していて、このデータを元に備蓄を進めています。
那覇市防災危機管理課 源河北斗主幹「例えば家が全部潰れてしまった、津波で全部流された、もしくは観光客とか旅行で来ていてそもそも備蓄を持っていない、そういう人のためにこういった備蓄品を市で「公助」という形で準備している」
玉城アナウンサー「市民全てに行き渡るっていうことではないんですね」
那覇市防災危機管理課 源河北斗主幹「基本的には那覇市民32万人全てには行き渡らない」
市の備蓄はあくまでも「最後の砦」そのため、私たちには「自分で備える」ことが求められます。
那覇市防災危機管理課 源河北斗主幹「避難や災害時に人が1日分どれだけ必要なのかを実際に見てもらいたいと思う」
飲料水や食料品ラップ簡易トイレなど、ざっと1日分でこれだけの物資が必要になるんです。こうした物資は、安全な場所に避難する際携帯する「持ち出し袋」用、そして避難生活を送るために準備する必要があり特に、島嶼県の沖縄では最低でも3日~10日分家族分の備蓄が推奨されています。
那覇市防災危機管理課 源河北斗主幹「自分で備えるとか、みんなで備えるとか、もしくは行政が備える公助という考え方があるがどれか一つだけでは絶対身を守れない。住民は守れない、自分の家族を守れない」
被害を最小限にするため大切なのは普段から私たち一人ひとりが「防災意識」を持つことだと源河さんは話します。
那覇市防災危機管理課 源河北斗主幹「災害が発生しても大丈夫だと、命は守れる家族は守れる、何かしらの根拠があれば皆さんが不安な中でも一定程度安心して暮らせるかなと思う」「そういった取り組みにいろいろチャレンジしていただきたい」
いざという時自分の命は自分で守る。今できる備えを進めることが求められています。
避難所に行けばどうにかなるという考えではなく、自分で用意できるものは日頃から準備しておく必要がありますね。
とはいえ、一体何から始めたら良いのかわからないという方多いと思う。すぐ始められそうなのが「ローリングストック」という考え方です。
「普段から少し多めに食材や加工品を買っておいて使ったら使った分だけ買い足す」という方法なんですが、そうすることで備蓄(ストック)しながら無駄なく常に一定量の食料を備えておくことができます。
備蓄品の鮮度は保たれるし、食品ロスにもならない。いざという時に、日常に近い食生活を送ることが出来そうです。
災害を正しく恐れ、正しく備えていきましょう。