※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

2026年の完成を目指して復元が進む首里城の今と人々の思いを紹介する『週刊首里城』です。今週は正殿の内装工事を手掛けるこの道2年!若手宮大工の思いに迫ります。

2年後の秋に完成を目指す首里城正殿では再建の目玉のひとつ「瓦葺き(かわらぶき)」が7月から始まっています。正殿の屋根には18種類のおよそ6万枚の県産赤瓦が使われますが、3階部分は平瓦をもうのせ終わり、丸瓦を葺く作業が進んでいます。

第10回 週刊首里城「造作工事を担当!この道2年の若手宮大工 髙木陸さん」

令和の復元で特に注目すべきは「丸瓦の文様」!平成の復元時には牡丹(ぼたん)と見られるものを側面から見たものが施されていていましたが、新たな知見が見つかったことから、今回は正面から見た文様へと変更されました!注意深く観察するのもいいかもしれません。

2階の屋根は瓦を乗せる前に施す雨水対策「土居葺き(どいぶき)」がほぼ終了。正殿に飾られる3つの龍頭棟飾の近くに張るのみとなっています。そして1階では首里城正殿を支える土台「基壇の遺構(きだんのいこう)」の公開に向けた準備が進行中。平成の復元では1か所だけだった見学窓も3か所に増え、世界文化遺産の遺構を様々な角度から見られるようになるのです。

また内部で進んでいるのが床や壁・天井などの内装を仕上げる「造作工事」担当しているのは職人歴2年目の若手宮大工髙木陸(たかぎ・りく)さんです。

第10回 週刊首里城「造作工事を担当!この道2年の若手宮大工 髙木陸さん」

宮大工 髙木陸さん「沖縄は何回か来たことがあって修学旅行でも来た」「首里城が見られなくなって悲しいのでもう一度素晴らしいものが見たいと思って(工事に)来た」「世界遺産に携われるのはこの先ないので」「とてもいい経験をさせてもらっている」

造作工事は5月から行われていて日々10人前後で作業し、今年中には終わる予定です。床板には湿気に強く耐久性が高い「ヒノキアスナロ」という木材を使用。天井や内部の建具には加工に優れたスギが用いられ外壁にはシロアリや湿気に強いイヌマキが使用されます。

宮大工 髙木陸さん「床張りは全部化粧になっていて」「3階は表・上だけは化粧で下(裏)が化粧ではない」「柱とかになると調整と繊細な作業が必要になってくるので」「その辺が大変かなと思っている」

床板張りには柱の下の部分にある加工された溝に板をはめ込む難しい工程も。重要な箇所での作業に職人歴が浅い髙木さんは集中して取り組んでいます。

宮大工 髙木陸さん「すごく緊張しちゃって(床板が)化粧なのであまり失敗できない」

記者:実際ぶっちゃけ失敗はある?宮大工 髙木陸さん「ある」「やばいと焦りとかそういう感じ」

第10回 週刊首里城「造作工事を担当!この道2年の若手宮大工 髙木陸さん」

慣れない作業であっても訪れた人に「仕事を正確にこなす職人の姿を見せたい」と思っています。

『未来へ 髙木陸』

宮大工 髙木陸さん「首里城が火災や再建を繰り返しているので」「今回の再建を通して100年200年先の後世まで残っていけたらいい」

宮大工歴2年目にして携わる首里城の再建工事。復元に関わることができなかった宮大工たちの思いも背負ってきょうも作業と向き合っています。

第10回 週刊首里城「造作工事を担当!この道2年の若手宮大工 髙木陸さん」