OIST沖縄科学技術大学院大学から誕生した女性の更年期を研究して新しいビジネスを立ち上げようと取り組んでいる女性研究者の話題、以前特集でお伝えしました。
きょうは、その研究者が女性の健康課題解決に取り組む会社を新たに設立、見えてきた課題に注目します。
オリガ博士「更年期が始まると、とても悲しい一人旅が始まってます」
1ミリの一万分の一のレベルで撮影されたがん細胞を見つめるのはオリガ・エリセーバさん。ベラルーシ出身で、医学部を卒業後、28年前に来日。OISTでがんの免疫研究に携わってきました。
オリガ博士「がんは逃げるのが上手なのでそれで免疫細胞が気づかない。それをどうすれば改善できるかというのを研究してたんですね」
そんなオリガさんが、ガンの最先端の研究を離れ、更年期の課題に取り組むと決めたのはこの分野の研究者の少なさを実感したから。OISTのスタートアップ アクセラレーターに採択されたのが3年前。更年期の女性のデータを集め回復に導くフェムサイエンス・カンパニー「ハーライフラボ」を設立しました。
設立のサポートしてくれたのはインキュベーション施設の仲間たちです。
オリガ博士「この2人がいなければ生まれなかったです。がんばれーがんばれービジネスプラン早く作って~!って」
設立から2年、女性特有の不調を解決しようと県内企業とのラボレーションや自治体の委託事業にも取り組んできました。
そして満を持してオリガさんが去年12月にスタートさせたのが女性のためのオンライン診療サービス「ビバエル」です。
診療サービスは事前の問診から始まり 予約をとった時間に自宅のパソコンなどからアクセスすると 更年期専門のカウンセラーにつながります。カウンセリングで医師の診察が必要とされると、画面は医師とつながり 診察を受け、処方されたホルモン補充療法や漢方薬は自宅に郵送してもらえるワンストップのサービスです。
関東在住40代女性「治療する前はほとんどキャンセルしてしまう。予約をとっても(病院へ)行けないんですよね」
オリガ博士「ホルモン補充療法を始めて変わった感じ?」
関東在住40代女性「かわりました。確かに東京は人がいっぱいで苦手なんですけど」
宮古島在住50代女性「カウンセリングしていくうちに、徐々に気持ちも解けてただの疲れとか、自分で更年期と思っていない方がたくさんいると思うビバエルがいつでも気軽に相談できる場所になってほしい」
看護カウンセラー宮城美子看護師長「多くの人たちの悩みを聞いて楽になってもらいたいしいろいろな知識も私たちの方から情報を提供して色々な治療があるよということを伝えていきたいと思います」
本土からの問い合わせもありこの分野のニーズは高いと感じているものの一番の課題は健康保険が使えないケースが多い事です。
ビバエル更年期専門医高宮城医師「世の中的に更年期の色々な相談を30分受けたところで(保険診療報酬は)ゼロ円なんですよね」
というところが改善されないからこういう診療をするところも増えないし、もっと相談するその方に寄り添った診療に対して対価があるような制度が必要
オンライン診療のスタートから8カ月余り、課題は山積していますが、日々の業務を通して女性一人ひとりからデータを集め、研究に生かし新たなサービスにつなげていく会社設立の理念を忘れずチャレンジを続けるオリガさんです。
オリガ博士「最高のチームですよ、このチームがなければビバエルも存在してない」
中村アナ「ビジネスキャッチーの中で、従業員が健康でなければ事業が発展しない「健康経営」についてもお伝えしていますが、オリガさんの取り組みもつながっていますよね」
金城アナ「そうですね、ビジネスモデルとして確立して大きく広がって欲しいと思いました。以上注目ビズでした」