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2026年の完成に向け復元が進む首里城の今と人々の思いを紹介する『週刊首里城』です。今週は、ウチナーンチュの誇りを胸に再建に臨む「瓦ぶき職人の思い」に迫ります。

焼け付くような暑さ続く ことしの夏。再建工事の舞台・素屋根の温度計も『31度』を指しています。それでも、職人たちの手が止まることはありません。建物の内装を仕上げていく「造作工事」は着々と進行中!この日は、木造3階建ての正殿の1階部分・いわゆる「下庫理(しちゃぐい)」の床を張っていました。

第9回週刊首里城 「沖縄の誇り」を首里城にのせる"ウチナーンチュ瓦ぶき職人"

首里城の顔ともいえる『唐玻豊(からはふう)』もかつての面影を見ることができます。進展する『復興』その中で今最も視線を集めているのが屋根に瓦をのせていく『瓦ぶき』です。

その作業を担当しているのがこの道23年の瓦ぶき職人「嘉数健(かかず・たけし)」さんです。

瓦ぶき職人 嘉数健さん『(見られながら作業するのは)初めての経験なので最初はちょっと恥ずかしさと戸惑いもあったが少しずつ慣れてきて』『沖縄の人として首里城に関わるということで誇りを持って仕事をしているつもり』

ことしの再建工事の目玉のひとつとして7月15日にスタートした瓦ぶき。令和の正殿の屋根には18種類 およそ6万枚もの県産瓦が使われ、嘉数さん含む10人の手で作業が進んでいます。開始からおよそ1カ月でこんなに景色が変わりました。

第9回週刊首里城 「沖縄の誇り」を首里城にのせる"ウチナーンチュ瓦ぶき職人"

瓦ぶき職人 嘉数健さん『こういう風に水糸を張って高さの調整と長さが揃うように何カ所かポイントで合わせている』

規格に沿ってつくられたとはいえ1枚1枚長さや形が微妙に異なる瓦。そこで、この「水糸」でラインを合わせ職人の目で確かめながら並べています。

瓦ぶき職人 嘉数健さん『(首里城は)観光地にもなっているのでそういった意味では沖縄の瓦を日本や世界に見てもらいたいと思う』

「沖縄の瓦を見てほしい」この思いはある人たちにも向けられています。

瓦ぶき職人 嘉数健さん『子どもや孫に残したい』

瓦ぶき職人 嘉数健さん『子どもたちが自分の友人などに”お父さんが首里城(の現場)に入っているよ~”と自慢気というわけではないが話したりしていると聞いている』『完成したらできるのであれば見に来られたらいいかな、家族で』

第9回週刊首里城 「沖縄の誇り」を首里城にのせる"ウチナーンチュ瓦ぶき職人"

家族に見せたい「格好いい父の姿」嘉数さんはきょうも現場で汗を流します。

嘉数さん、格好いいですね。3兄弟の父である嘉数さん、お子さんは3人とも進学や就職のため県外にいるそうで、ぜひ格好いいお父さんの姿、見てほしいですね!

7月にスタートした瓦ぶき、概ね10月頃には完了して、漆喰を塗る作業も年内を目処に終える予定ということでまさに今しか見られない復興を見に行ってみては?