琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊和雄さんです。よろしくお願いします。
湊和雄さん「よろしくお願いします」
さて今回のテーマはこちら「夏休み自由研究のヒント」
湊和雄さん「わたしは夏休みは自由研究だけに燃えるタイプでした。全国的な賞を貰ったりもしたんですよ。」
ウオッ！そんなスゴイ湊さんからのヒントですね！
湊和雄さん「はい、沖縄本島の身近な生き物をテーマにしたアドバイスをしましょう。」
さっそくVTR見ていきましょう。
湊和雄さん「身近な昆虫と言えば、まずチョウです。これはニトベカズラの花に集まるベニモンアゲハです」
赤い花にやってくる光景は絵になりますね。
湊和雄さん「どの種類のチョウがどのような花によくやってくるかを調べるのもよいでしょう。特によく見られる時間帯なども。」
湊さんのヒントポイントですね。
湊和雄さん「ツマベニチョウも赤い花を好みます。これはベニツツバナという植物です。しかし、すべてのチョウが赤い花に来るわけではありません。好まれる植物の色だけでグループ分けしてもいいかもしれません」
湊さんのヒントポイントですね。
湊和雄さん「例えば、リュウキュウミスジセンダングサのような白い花でよく蜜を吸っています。ツワブキのような黄色い花でも常連ですが、赤い花ではまず見かけません。」
なぜだろう？ここはヒント無いんですか？
湊和雄さん「考えるのが自由研究なんですよ」
湊和雄さん「さらに花だけではありません。熟した木の実の汁も吸いますこれはイヌビワの完熟状態の実が割れてしまったものから吸っています。」「そして、これはなんとハエの死骸から汁を吸っています。もっと大型の動物の死骸のこともあります。」
これはちょっと意外ですね。でもこの発見は自由研究が楽しくなりますね。
湊和雄さん「このようにチョウは色々な液体を餌にしますが、どのチョウもストローのような吸うための口であることは共通しています」
口に注目すること。ココはポイントですね。
湊和雄さん「チョウ以外の昆虫では、吸う以外の口の種類もいます。例えば、このオキナワヘリグロツユムシ。先ほども登場したイヌビワの実をかじっていますね。」
種類によって食べ方の違いがよくわかります。
湊和雄さん「これは春先の甲虫の仲間のチュウジョウコメツキモドキ。葉の上に落ちた花粉を舐めています。昆虫の口は、吸う、かじる、舐めるの いずれかに分けることが出来ます身近な昆虫を餌や口の働きでグループ化してみるのも面白いでしょう。」
湊和雄さん「暑い夏でも元気なのはセミの仲間でしょう。これは早くから鳴き始めるクロイワニイニイ。小型で樹皮に似た姿なのでなかなか見つけられません。これはリュウキュウアブラゼミ。大きな体に特徴ある鳴き声ですから見つけやすいセミですね。」
家の周りで鳴いているのはこのセミか！
湊和雄さん「こちらは、うるさいセミの代表のクマゼミ。サイズも日本最大級です。間もなく鳴き始めて、数の増えるクロイワツクツク。10月まで鳴いています。但し、沖縄本島中部より北の地域限定です。南部で見られることはほぼありません。さらにやんばる限定のオオシマゼミ。秋を代表するセミですが、今年は早くから鳴き声が聞かれました。」
こういうのを探すのも自由研究にいいですね。
湊和雄さん「どのような時間帯にどの種類が鳴いているかを調べると面白いでしょう。また、夏休みの初めと終わりでは活発に活動している種類も違うかもしれません。」
湊さんのヒントポイントですね。
湊和雄さん「このように針のような口を幹に挿して汁を吸っている木を調べましょう。但し、鳴くときはどの木にでもとまります。ときには電信柱などにも。チョウもセミも飛んじゃうんで逃げられてしまうことが多いですが」
湊和雄さん「そんなときは、網を張るクモはどうでしょう。特に日本最大のクモ、オオジョロウグモの巣にはセミもよく掛かります。どんな餌が多いのか、場所によっても違いがあるかもしれません。ここはリュウキュウアブラゼミが食べられていました。」
湊和雄さん「こちらはクマゼミ。クモは大きな牙のような口を持っていますがバリバリとかじって、そこに消化液を注いで、溶けた液体を吸うタイプなのです。餌を食べるのに要する時間を調べるのもよいかもしれません。」
いろいろな研究のヒントがありましたね！
湊和雄さん「アイデアひとつで自分だけのおもしろい自由研究ができるんだよ」
湊和雄さん「熱中症に気をつけて自由研究頑張ってください。」
今回も貴重な映像とアドバイスありがとうございました。リュウキュウの自然でした。
