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今を生きる私たちが未来の沖縄を考える「IMAGINEおきなわ」です。ここ数年で、すっかり島の住民として様々なところで暮らす外国人、なかでもネパールの人が沢山いますよね。そんなネパール人の皆さんを地域で暖かく迎えようという自治会の取り組みを取材しました。

困ったことや不安なことはありませんか?聞かせて欲しい。どこの国の人でも地域に暮らす人はみんな、地域で支えて暮らしてゆきたい、ここは『いちゃりばちょーでー』の島なのだから。

日曜日の早朝。豊見城市、上田山川(うえた・やまがわ)集会所にやって来たのは自治会長の仲程さん。仲程さんはこれまで、地域で買い物が困難なお年寄りを助けるための移動スーパーを誘致したり、子ども達が楽しいひとときを過ごせるように様々な企画を開催してきました。そんな仲程さんには少し前から気になっていることが。

仲程さん「うちの地域に、ここ数年前からネパールの人が歩いているのを見かけて、この人たちって一体どこで何している人なんだろうって」

IMAGINEおきなわ#69「いちゃりばちょーでー!地域で支えたいネパール人の暮らし」

話を聞いてみると、近所にある「おもと会 大浜第二病院」で働くネパール人だとわかりました。

おもと会 城間さん「最初は一人の方が応募してきたんですけど、そのあとから少しずつネットワークが広がって今では10名のネパールの方が働いています。」「患者さんに対してとかスタッフに対してもコミュニケーション全然困らないし、患者さんからの信頼も厚いです。「気づき」も多いし、すごい助かっています。」

IMAGINEおきなわ#69「いちゃりばちょーでー!地域で支えたいネパール人の暮らし」

仲程さん「この子達って親元を離れてここに来ていて、もし自分の子どもが海外に一人行った時に地域の皆が家族のように迎えてくれたら親としても安心だから」

という訳で、ネパール人と地域のみんなで一緒にごはんを作って食べ、交流する機会を設けようということになったのです。

「おはようございまーす、ナマステー」

集会所に続々とやって来る人々。子ども達も大勢いますね!

パンデさん「初めまして、パンデ・プザです。ネパール出身です。今日はみんなネパール人で3種類のごはん作ろうと思っています。」

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前日、一緒に買い物をしてきたのは、バスマティライスというネパールのお米や香辛料、鶏肉など。早速みんなで分担して調理にとりかかります。

「これは何ですか?グラムマサラという香りが。味はあんまりないけど。」「パンデさん、これは何になるんですか?」「サラダです。アチャールっていう。」

途中で抜け出した仲程さんがやって来たのは近所のパン屋さん。皆で食べて欲しいと、パンを差し入れてくれました。

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パン屋の大嶺 昂秀(おおみね たかひで)さん「(仲程さんの)地域を大切にするっていう活動をSNSで見ていたので、そういうのに感銘を受けて自国を離れて沖縄で頑張っている皆さんに少しでもパンをご提供できたらなと思って。自分はパンしか作れないので。」

出来ました!本場ネパールのチキンカレーと、ネパールのお米を使った「プラウ」という炊き込みごはん、そして「アチャール」というサラダです。

「いただきます!いただきまーす!」季節はどう?「一緒です沖縄と。」味はどうですか?「おいしい!」ネパールのカレー辛い?「大丈夫?食べられる?おいしいよね」

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日本語ペラペラで(すごい)「まだまだよ、ニーニーがわからんから教えてね日本語(笑)」「思ったより香辛料が多いから作るの大変そう」

「うまい!」朝から頑張って「みんなで頑張った甲斐があります」

味はいかが?「おいしいです!」手で食べるパンデさんを真似する仲程さん「違う!(笑)」

IMAGINEおきなわ#69「いちゃりばちょーでー!地域で支えたいネパール人の暮らし」

「みんなで手伝ってくれて大丈夫でした!」「この暑さだからカレー食べきれるかなって心配もあったんですけど、いやいや口にしてみたらもう、命薬!大感謝です、とってもおいしい。」

「米が、粒が小さいのあるじゃないですか。これは割と飲み込みやすいというか年寄りにはいい感じの(硬さ)。」

みんなお腹いっぱい、あちこちで笑顔の花が咲きました。

仲程さん「おいしかったですか?」(拍手)「遠慮なくこっちに来てたおじちゃんおばちゃんたちには不安なことぶつけて欲しくて、病院の場所がわからないとか、今日来ている人に聞けば絶対教えてくれるので」

この先自治会で企画している夏まつりや流しそうめん会などにネパール人のみんなを招待したい、そして、ここで顔を合わせた人たち近所で声をかけ合ってどんなことでも話してほしいという仲程さん。

アミルさん「ネパールの食事、口に合いましたかね?(拍手)これからも、こういうお祭りとかみなさんと交流していきたいなと思っていますので宜しくお願いします。」

IMAGINEおきなわ#69「いちゃりばちょーでー!地域で支えたいネパール人の暮らし」

パンデさん「わくわくし過ぎて今日のこともめっちゃ待ってて昨日の夜も全然寝てない。」「みんながおいしく食べられているのを見て、お母さんが私たちが食べさせたら気持ち良く見える、その気持ちが私たちも同じ。」「こんな機会があって近所のことも知って道を歩いていても声かけて元気?ということで気持ち変わるんじゃないかなと思って」

テズさん(D:仲程さんの言葉をきいてどう思った)「安心しました。今までは職場でしかなかったので地域の人とこうやって知り合いになって安心です。」

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仲程さん「初めてやるからうまくいかない部分もあったけど準備もしながら話していくと、この子達が何を求めているのかなとか、どんなことが不安なのかなって少しずつ見えてきた部分があるから、そこをどううちらで助けてあげるかっていうのが今後の課題かな」

縁あって地域に集ったみんな。まずはお互いを知って、親しくなって、手と手を合せて「幸せ」の「ナマステー」未来をともに生きてゆこう。

おもと会の城間さんによると、ネパール人のみなさん、全員一発で「介護福祉士」資格を取得しました。優秀!一番困っているのは「台風」のようです。

ネパール人同士のご夫婦がいて、奥さん(メリナさん)は元々名古屋に住んでいて、沖縄に来たばかりなのだそう。旦那さんの仕事が忙しくてひとりぼっちだったけど今回呼んでもらえて「旦那さんがいなくても大丈夫かな」と笑っていた。事実、交流会のあと地域のラジオ体操に参加し始めたそうです。