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今月21日から福岡県などを会場に行われる全国高校総体。出場する選手の中にことしの全国高校総体南九州地区予選で、三段跳びとと幅跳びの2冠を果たした高校3年生がいます。

ケガで思うような結果が出せなかった去年。復活を支えたのは監督や家族、仲間の支えでした。まもなく開幕を迎える全国高校総体へ懸ける思いを取材しました。

真剣な目つきで流ちょうな英語を話す女性の正体はー。

那覇国際高校3年・喜久里彩吹(きくざと・いぶき)さん。おととしの全国高校総体南九州地区予選では三段跳びで追い風参考ながら当時の高1の日本記録(12メートル22)を超える12メートル41の大ジャンプを見せると全国高校総体では、1年生ながら7位に入賞するなど一躍注目される選手となりました。

周囲から「今後さらに記録を伸ばしていけるのではないか?」という期待の声が高まる中。高校2年の春、体育の授業中に左太ももの裏を肉離れのアクシデント。全国高校総体出場は果したものの幅跳び、三段跳びともに予選敗退という悔しい結果に終わりました。

中学2年から喜久里さんの指導を行うのは後間英生(こしま・ひでき)監督です。2人の出会いは喜久里さんが後間監督のクラブチームの練習に参加をしたことだといいます。

けがを乗り越え高校最後のインターハイ "幅跳び"に青春かける女子高生

喜久里さんはケガをした時、後間監督からかけられた言葉が今でも心に残りその言葉が励みになったといいます。

喜久里さん「(後間監督が)ケガをしているからこそ弱い部分を鍛えられる。もっと強くなるチャンスじゃないかと言われました。監督がいることで自分では気づかない点とかいろいろアドバイスをして頂いて成長できたととても思います」

取材をした日も後間監督とコミュニケーションをとりながら練習に励む姿がありました。

後間監督「前に行く力も出て来ているからちょっとためを作ってしっかり上にステップであがる」

喜久里さん「イメージは完璧にしていきます」

さらに強力なサポーターの姿も。母・里奈(リナ)さんも喜久里さんの練習のサポートをしていました。練習の様子を動画で撮影して跳躍が終わるたび自分の動きを確認します。

喜久里さん「自分の感覚と実際に走っているのがどんな感じで違うのかなというのでいつも撮ってもらって感謝しています」

今年の全国高校総体南九州地区予選。三段跳びで大会記録と県高校記録を上回り初優勝。幅跳びでも優勝を果し、2冠を達成しました。調子がいい状態を取り戻してきた喜久里さんが今日課にしていることはその日、考えたことや思ったことをノートに記すこと。中身を見ると、自分自身を鼓舞する言葉や具体的な目標が書かれています。

喜久里さん「去年調子が悪くて苦しいシーズンだったのでその部分で今年は絶対に自分の中でやり切りたいという気持ちがあって」

喜久里さんは2つ上の兄が勉強や部活動の両立に充実している学校生活を送る姿に魅かれ那覇国際高校を目指して入学。授業中もメモを取ったりわからない単語はすぐに辞書を活用して調べるなど授業を受ける表情も真剣です。

けがを乗り越え高校最後のインターハイ "幅跳び"に青春かける女子高生

授業が終わると待ちに待ったお昼の時間。喜久里さんは毎日、母の愛情がこもった手作りのお弁当を持って来て、クラスメイトたちと楽しいひと時を過ごします。

喜久里さん「「ゴボウとチーズのおにぎりでございます。梅の玄米おにぎりです。塩分取っていこう。親がいつも考えてくれておいしいです。お肉かお魚かタンパク質いつも入れてくれます。感謝しかないです。いつもおいしいです。ありがとうございます」

クラスメイト「常に笑っていて明るい人です。本当にすごい努力家だと思います」

喜久里さん「お~心に響く。うれしいです」

クラスメイト「練習とかストイックにやっていると思うんですけど、友達の前とかではいつも笑っていて穏やかな感じでおもしろい人です」

喜久里さん「(Q:おもしろい人と言われていますが?)おもしろい…まぁ~ねという感じです。うそです。すいません」

喜久里さん「高校生になって挫折とかもあっていろんな人が支えてくれているそれに感謝をしながら自分は挫折しても乗り越えていけるという自信をつけたと思います。全国でみたら自分なんてざらにいる存在なので沖縄で競技ができているからこそこんな応援してもらえるというのがあるのでそこは感謝しています」

けがを乗り越え高校最後のインターハイ "幅跳び"に青春かける女子高生

後間監督も復活した喜久里さんに期待を膨らませます。

後間監督「2年の時にケガをして、落ち込む部分もあったんですけど私たちは(高校)3年になって力が一番ついていると思っています。そういう意味では全国レベルに非常に近いところまで来ていると思っています。彼女の一番のいいところは笑顔ですので笑顔でいい記録を達成してほしいなと思っています」

喜久里さん「高校3年間を締めくくるラストなのでまずは自分のやり切れる力を出して後悔のない大会にしたい。いろんな人に恩返しできるようにこれから頑張りたいと思います。やるしかないって感じです」

これまでさまざまな壁を乗り越えてきた喜久里さん。応援を背に最後の全国高校総体へ挑む。

「全国高校総体 陸上競技」は今月27日に開幕をして28日から競技が始まります。喜久里さんは、100メートルハードル、幅跳び、三段跳びの3種目で出場する予定です。