めーにちしまくとぅば、きょうは特別編です。沖縄本島と与那国島。それぞれのしまくとぅばを織り交ぜて若者たちが作りあげた「世界で唯一の音楽」とは!
沖縄市出身のアーティスト、沖縄電子少女彩(さや)。沖縄音楽を基礎にポップス、ダンスミュージック、テクノ、色とりどりの楽曲に耳を傾けると、しまくとぅばが聞こえてきます。
沖縄電子少女彩さん「東京に住み始めたのになまりがひどくなったんですよ。外からみた沖縄にさらに愛情がわいちゃって」
そんな彼女が、ある日出会ったのは「与那国語ラップ」
与那国島出身で俳優の東盛あいかさんがSNSに投稿した与那国の言葉=どぅなんむぬい満載のラップでした。島の言葉を想う若者2人が紡ぐ世界で唯一の音楽は、どのようにして生まれたんでしょうか?
6年前(2018年)に沖縄を離れ、東京を拠点に活動を始めた彩さん。美しくもダークで力みなぎる世界観で多くの人の心を惹きつけています。しまくとぅばが話せる世代ではありませんが、地元の言葉を話せるようになりたいと、学び始めました。
沖縄電子少女彩さん「沖縄で生まれ育って、沖縄の言葉を喋れないというのが、ちょっと嫌だなと思った」「あやふやなところはあるんですけど、こういうのって間違いを恐れてたら本当に無くなっちゃうので」
一方、俳優・映画監督としても故郷・与那国の言葉や文化を見つめ、表現してきたあいかさん。どぅなんむぬいでラップを始めたわけは?
東盛あいかさん「沖縄のラッパーたちすごい人たちがいるじゃないですか。それもかっこいいなと思って。それが自分の島の言葉、与那国語を使ってやってみたら、面白いものができるんじゃないかって思ったし、若い世代、同世代自分よりも下の世代っていう人たちが興味を持ってもらえる」
ハッシュタグ「多分私しかやってない」と4月に投稿された動画は閲覧数、100万回超え。1万件以上の「いいね」が寄せられ、世界から注目されました。その投稿を目にした彩さんが一緒に音楽を作ろうと声を掛けたのです。
沖縄電子少女彩さん「沖縄というだけでもこんなに言葉が違うんだなとまず衝撃を受けて、そこで一緒にやれたらと思って連絡しました」
試行錯誤を繰り返して完成したのが「夜の祭~ユルヌウマチー~」です。
沖縄電子少女彩さん「沖縄市で育って夜道ジュネーを見たりとかっていう機会がすごく多かったので、夜の沖縄もあってもいいんじゃないかなと」
怪しげで神秘的な雰囲気のメロディーに乗せてそれぞれの島の言葉が、心地よく耳に響きます。
沖縄電子少女彩さん「島の言葉を忘れないでよっていうのは強く思いますね」「英語みたいに音の響きを楽しむのもありかなっていうのを思って、私も与那国のことは一応今回でいくつか単語は理解したんですけど、やっぱ初めて聞いたときは、音の響きを楽しんでましたね。」
東盛あいかさん「彩さんも自分もそうだけど、お互いペラペラではない。だけど言葉を習得して勉強しながら音楽や映画を通して発信していく想いは同じだったので」
和気あいあいとした雰囲気の中でのレコーディング。その場で採用されたフレーズも。
東盛あいかさん「この最初の部分何か言葉、一緒に入れたいねって考えて自分がうーすとぅいっていう言葉があるんだけどって提案したらそれすごくいいねって」「うーすとぅいというのは与那国でお祈りをするときに最初に言う言葉」
東盛あいかさん「このユルヌウマチー自体が自分たちの故郷を大切にする思いとか、言葉だったり音楽カルチャーっていうのを、この先にも繋げていきたいっていう思いが込められた歌でまたこの曲を通して、言葉に触れるきっかけになったりとか、また自分も使ってみようって思う人たちが増えてきたらうれしいですね」
沖縄電子少女彩さん「ユルヌウマチー 夜の祭り、新しい沖縄ヒップホップになっていると思います。ぜひ沖縄ヒップホップ興味のある方みてね!みてください!ゆたさるぐとぅ うにげーさびら!」
YouTube、アップルミュージックなどで聞くことができます。彩さんやあいかさんは本で学んだり、家族や身近な人から教えてもらったりして言葉を身に着けているそうです。彩さんはいつかおじいおばあと同じレベルでおしゃべりできるくらい、しまくとぅばを極めたいと思っているそうです。
『夜の祭〜ユル ヌ ウマチー〜』彩Saya (沖縄電子少女彩)& 東盛あいか 『Night festival~Yuru Nu Umachi~』
夜の祭〜ユル ヌ ウマチー〜 (feat. 東盛あいか) 沖縄電子少女彩