県内で発生した事件事故・身近な社会問題を特集する真相フカボリです。皆さんは「リーフカレント」という言葉をご存じでしょうか。
「リーフカレント」とは珊瑚礁の内から沖へ向かう特徴的な流れのことでこれから本格的なマリンレジャーシーズンが訪れるなか県内ではリーフカレントによる水難事故が多発してします。一体、リーフカレントとはどれほど危険なのか実際に記者が体験しました。
潮の匂いが広がる綺麗な海 ギラギラと照りつける太陽。本格的なマリンレジャーシーズンを前に友人と来たのでしょうか?カメラに向かって元気に手をふる人など遊泳を楽しんでいる人が多く見られます。しかし、そんな海にも・・・
本村記者「私は今、頑張って必死に泳いでるんですが、全然前に進まないです」
記者がどんなに泳いでもながされてしまう。夏本番を迎える前に海に潜む見えない脅威として知って頂きたいのが「リーフカレント」誰でも巻き込まれてしまう可能性があるこリーフカレントからどうすれば命を守る事ができるのか実際に体験しました。
リーフカレントとは岸から沖へ向かって流れるの離岸流の一つで、その中でも、珊瑚礁の切れ目をつたって内から沖へ向かう特徴的な流れを「リーフカレント」といいます。沖縄は「リーフカレント」が多く発生する地域で、海上保安庁の調べによりますと本島や離島を合わせて27カ所あまりで発生していることが報告されています。
糸満市にある大度浜海岸今年4月27日、シュノーケルをしていた40代男性がリーフカレントに巻き込まれまれる事故がありました。
本村記者「ここは多くの人が流されてしまうポイントです実際にどのぐらい危険なのか体験してみます」
実際に発生した場所から入水してみました。海の中はいったいどうなっているのでしょうか?
本村記者「潮の流れがサポートのもとなんですけどとても早いです」
海保「離しますね」
本村記者「私はいま何もしていません。力を抜いています何もしなくても簡単に流されてしまいます。これはとても危険です」
30メートルの距離を10秒ほどで流されてしまいました。流れに逆らって泳いでみると・・・
本村記者「本当に無理です。これ。危ない、どうしよう。全然前に進まないです。怖い怖い。本当に無理です流されてしまいます。どうしよう本当に前に進まないです」
どんなに泳いでも沖に流されてしまう潮の流れの速さにとても恐ろしいと感じました。
本村記者「今、実際にサポートのもとではあるんですが、流れにさからってみました。実際に私もこの状況で泳ぐのは初めてだったんですが、もしこの状況になったとき、流れに身を任せてもがいてしまうとどんどんどんどん、沖に流されてしまうことが分かりました。本当に危険です」
リーフカレントがどれだけ危険なのかシーマーカと呼ばれる着色剤を流し流れを可視化してみるとその速さは一目瞭然
第11管区海上保安本部によりますとリーフカレントは早いもので毎秒2メーターの速度で流れその速さはオリンピックに出場するレベルの選手が泳ぐスピードとほぼ変わらない速さだということ。
また、2019年から5年において沖縄県内では離岸流の影響と思われる事故に61人が遭い、2023年には大度浜海岸で2件の事故が発生し、そのうち1件においてはシュノーケルをしていた62歳の男性が死亡する事故でした。
海にひそむ見えない流れ「リーフカレント」命を守るために私たちにできることを聞きました。
第11管区 海上保安部 小坂和彦さん「基本的には陸に向かって横に、どちらでもいいんですけどに平行に泳いでいただく。沖には流されるんですけど、離岸流は沖に向かうと弱くなってきますので横に泳いでいるうちに沖に流されなくなったら陸のほうに向かっていただければということです」
リーフカレントに巻き込まれてしまった場合、決して岸に戻ろうとせずに、流れに身を任せた後に岸に向かって平行に泳ぐのが大切だと話す小坂さん。では、泳げない人はどうすればいいのでしょうか?
第11管区 海上保安部 小坂和彦さん「第一はですね、浮くことを考えて頂きたいと思います。沖には流されるんですけれども、(泳げなくても)浮くことができていれば身の安全は守られますので」
そのためにもライフジャケットの着用が強く求められています。海保の小坂さんによると 「スノーケール中は海中に集中している人が多いので気づいた時にはリーフカレントに流されてしまうことが多い」ということです。
ライフジャケットの着用などしっかりとした準備とその場の状況お把握することで家族や友人らと事故なくマリンレジャーを楽しむことに繋がります。