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2024年8月にも、本格的な工事に入る構えです。辺野古新基地建設で、沖縄防衛局は2024年7月3日午前、大浦湾側で試験的なくい打ち作業を始めました。

防衛省は、大浦湾の軟弱地盤を固める工事に向けて、海底にくいを打ち込む作業の手順を確認するため、試験的にくい打ちを行うと表明していました。2024年7月3日正午ごろまでに、大浦湾上の作業船から金属製のくいを沈めている様子が確認され、防衛局が試験に着手したとみられます。

防衛省の計画では、大浦湾側の軟弱地盤を固めるため、7万本以上のくいを海底に打ち込む計画で、2024年8月にも本格的な作業に着手する見通しです。

県は、くい打ちの試験について工事着手前の協議が続いているとの立場で、「協議が整うまで着手しないでほしい」と求める文書を2024年7月3日午前、防衛局に送っています。

辺野古、大浦湾にくい打ち/防衛局、試験的に作業/本格作業は来月か/県は作業中止求める

ここからは塚崎記者です。今回、沖縄防衛局は新たな作業に着手したわけですが、これはどういった意味があるのでしょうか。

塚崎記者「はい。今回の試験は、来月にも防衛局が着手するとみられる、大浦湾の軟弱地盤を固めるための、くいを打ち込む作業の試験の位置づけです。新基地建設の工事では、2013年、当時の仲井真知事が埋め立てを承認した際の留意事項として、国と県で事前協議を行うとされています。くい打ちの試験では、防衛省は後に撤去することなどから、「協議の対象ではない」との認識を示しています。一方県は「協議が必要」との立場で、「試験と言えども工事着手とみなされる。協議が整うまでは着手しないでほしい」とする抗議文書を防衛局に送りました」 

8月にくい打ち工事着手ということですが、どのような工事を予定しているのでしょうか。

辺野古、大浦湾にくい打ち/防衛局、試験的に作業/本格作業は来月か/県は作業中止求める

塚崎記者「大浦湾にはおよそ7万本のくいを打ち込む計画で、防衛局はまず、護岸の予定地周辺を固めるために作業を行う計画です。この工事の事前協議についても防衛省は先月18日、打ち切って来月、工事に着手することを県側に通知しています。玉城知事はこの姿勢を「協議が整っていない中で一方的で遺憾だ」としています。国がこうした動きを見せてきたのは、先月16日の県議会議員選挙で、玉城知事を支える県政与党が大敗した直後です。国はこうした政治情勢も見ながら、関連する作業を進めてきているとみられます」

辺野古新基地建設の協議について、国と県の認識の隔たりが大きいまま、8月の工事着手となりそうですね。これまでも新基地建設問題については私たちも報道を続けてきたわけですが、どのように見ていくことが重要なのでしょうか。

辺野古、大浦湾にくい打ち/防衛局、試験的に作業/本格作業は来月か/県は作業中止求める

塚崎記者「辺野古の軟弱地盤の工事は、前例のない工事で、確実性も疑問視されています。政府の見通しを踏まえても、新基地の完成は2030年代の後半となるとされていています。政府が普天間基地の危険性除去の解決策を「辺野古が唯一」と言い続け、見直す姿勢がない以上、普天間基地は宜野湾市の真ん中に存在し続け、周辺住民は危険性にさらされ続けることになります。最近はアメリカ兵の性暴力事件が相次いで明らかになり、県民の反発も高まっていますが、基地があるゆえの問題は、常に俯瞰して考えていくことが大事だと思います。辺野古新基地建設については、予算面や軍事的な合理性、法律や行政上の問題などが指摘され続けてきました。国が県との協議を打ち切って工事を進めたとしても、こうした問題点が消えてなくなるわけではないことを、改めて指摘しておかなければなりません」