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琉球の貴重な動植物を紹介する「リュウキュウの自然」きょうは特別編。案内は動物写真家の湊和雄さんです。よろしくお願いします。特別編のテーマは「~ロードキルを防ぐ~ヤンバルクイナの生態をもっと知ろう」です。

湊和雄さん「ロードキルとは野生動物の交通事故死を意味する言葉です。事故死をなくすためには何が必要かまずはその動物の生態を知ることが必要不可欠だと思うんですね。」

ではVTRをご覧いただきましょう。

湊和雄さん「毎年5月から7月はヤンバルクイナのロードキルが増加する季節。国頭村の県道沿いでは今月、3回に渡り行われたのは「ヤンバルクイナのロードキル防止キャンペーン」主催したのは「やんばる地域ロードキル発生防止に関する連絡会議」で安田小学校の児童の協力のもと行われました。」

リュウキュウの自然特別編 ヤンバルクイナ

こどもたち一生懸命頑張っていますね。

湊和雄さん「やんばるを走るドライバーのみなさんに少しでも野生動物のことを考えてもらえるきっかけになればと思っています。

湊和雄さん「さてこちら。日頃からヤンバルクイナは路上に出てくることが少なくありません。アスファルトを歩くヤンバルクイナを初めて見ました。こんな風にゆっくりと横断するんですね。」

湊和雄さん「ここは元々ヤンバルクイナの住処であり、後から我々の道路が出来たのですからこのことがヤンバルクイナのロードキルの一因でしょうきょうは生態をじっくり見ていただきたいです。」

湊和雄さん「今は子育ての季節真っ最中。ヒナを連れた親が盛んに餌探しをしています。親の見つけた餌を口移しに貰ったり、地中から掘り出した餌を横取りするように食べるのです。」

リュウキュウの自然特別編 ヤンバルクイナ

右側が親鳥で左側がヒナですね!

湊和雄さん「素早いので40倍スロー映像で見てみましょう。クチバシで地表を掘り、甲虫の幼虫を見つけた親鳥。一度は失敗しましたが、巧く飲み込みましたね。このように餌のほとんどが地中にいる小動物。特にミミズやカタツムリなどが好みのようです。」

捕食シーンを初めて見ました!あ!親鳥からヒナへ!手塩にかけて育ててるんですね。

湊和雄さん「そうなんですヤンバルクイナは警戒心の強い鳥ですが、飛べません。そこで危険を感じると、走って逃げるしかないんですよね。脚は発達し、かなりの速度で走ることが出来ます。」

幼鳥の脚力も侮れません。親と一緒に餌を探し、どちらかの親が餌を見つけると、その親のところに一目散に走って来ます」

リュウキュウの自然特別編 ヤンバルクイナ

ほんとにあっという間ですね!

湊和雄さん「スロー映像で見てみると、半分飛ぶように移動していますね。」

わ!一瞬見えました!

湊和雄さん「スローだと翼を閉じてこんな風なんです。このように興奮状態ですから、いつ道路に飛び出してくるか判らないんですよね」「そして子育ても最終盤になると、これまで仲よく餌探しをしていた親鳥が、成長した幼鳥を急に追い払うようになる「子別れ」です。」

リュウキュウの自然特別編 ヤンバルクイナ

湊和雄さん「ヤンバルクイナの生息地は山奥とは限りません。人間の生活圏に隣接していることもありますから、このような生態ということを皆さんに知ってもらいたいですね。」「これは、自動撮影による映像でヒナが何かに驚いて、慌てて逆方向に走り出しました。実はここも道路の近くなんですよね。」

湊和雄さん「そして親子で餌探しをしているとき、親鳥が急に伸び上がって周囲を見渡すことがあります。これは警戒をしているポーズです。通常のヤンバルクイナのテリトリーは400m四方だと言われますが、繁殖期にはこれが拡大傾向になります。すると他のファミリーの鳥との接近、接触が増えるんですね」

けたたましい鳴き声が聞こえますね。

湊和雄さん「これは縄張り宣言であったり、他のファミリーの鳥への威嚇であったりします。」「こちらは違うファミリーの親鳥どうしが出遭ったシーン。互いに体を高く伸ばして少しでも大きく見せて、相手を威嚇しているのでしょう。その後の激しい闘い。これでは何時道路に飛び出してきても不思議ではありませんね」

リュウキュウの自然特別編 ヤンバルクイナ

ヤンバルクイナの生態をこんなにじっくり見たのは初めてです。貴重な動植物と共存することの大切さをこれからも湊さんと一緒に伝えていきたいと強く思いました。

以上リュウキュウの自然特別編でした。