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来年は沖縄戦から80年ですが、実は沖縄にとってもう一つ、忘れてはならない戦争があります。1960年代に泥沼化(どろぬまか)したベトナム戦争。実はそのベトナム戦争が終わって来年で50年。この戦争を取材したジャーナリストの旅に同行しました。

ベトナムホーチミン市。50年前の戦争を今に伝えるベトナム戦争証跡博物館。ここに一人の日本人ジャーナリストのコーナーが設けられています。

沖縄出身のフォトジャーナリスト・石川文洋。26歳のとき、戦場の最前線に行き、4年以上も命がけで写真を撮り続けました。彼の写真には凄惨な地上戦や戦場で暮らす人々の苦しみが記録されています。

来年はベトナム戦争から50年 戦場ジャーナリストが見た今のベトナム

「文洋さんの写真は、家を焼かれたり、ケガをさせられたり、殺されたり、家族が離れ離れになったりという人々の苦しみに目を向けています。」

石川文洋さん「300万人いじょうのベトナム人が亡くなったという歴史をよく覚えていてくださいということを、青年にもお願いして、で、沖縄戦がどういったものだったのか、日本の戦争はどんなものだったのか、それを勉強してくださいと、そういうことによって、今のパレスチナもウクライナもやっぱりわかってくると思うんですよね。」

そんな文洋さんが久しぶりに訪れたベトナム。ツアーには沖縄と東京の学生たちも同行しました。今回のツアーに込めた文洋さんの強い思い。

石川文洋さん「私も85ですから、何年話せるかわかりません。今元気なうちに若い人たちに伝えていきたいと思っています。私が見た戦場を伝えることは、残された私の義務だと思っています。」

来年はベトナム戦争から50年 戦場ジャーナリストが見た今のベトナム

現地では、ベトナム戦争を知らないベトナムの大学生たちとの交流もありました。

そこで文洋さんは、彼らが知らない、彼らの祖国の戦争を伝えました。

石川文洋さん「私はたくさん写真を撮ったけれど、親が亡くなって子どもがなげいている。夫が亡くなって妻がなげいている。いっぱいいます。」「一枚の写真は、千の文字よりも価値があると言われています。確かに大変だったことがわかります。」

日本の若者たちは、戦争が過去のものではないことも学びました。80代半ばを超えた今も、現場に立ち続ける石川文洋さんが見つめたベトナム。ずっと心にある、ふるさと沖縄への思い。一人のジャーナリストの目を通して戦争と平和について考えます。

来年はベトナム戦争から50年 戦場ジャーナリストが見た今のベトナム

文洋さんはつえを突きながら、ゆっくりゆっくりとベトナムを旅しました。「戦場ジャーナリストのエンディングノート」はあす夜7時からの放送です。ぜひ、ご覧ください。