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続いては、「リュウキュウの自然」です。案内は動物写真家の湊和雄さんです。よろしくお願いします。

湊和雄さん「よろしくお願いします。」

今回のテーマは「2種類のホタルの共存」です。

湊和雄さん「沖縄本島で見られるホタルが活動のピークを迎えています。本土の代表的なホタル、ゲンジボタルとヘイケボタルとはまた異なった沖縄のホタルを紹介しましょう。超高感度カメラと非常に明るいレンズでの撮影です

さっそくVTRをご覧ください!

湊和雄さん「日没から約20分。かなり薄暗くなった時刻から、ホタルが光り始めます。

リュウキュウの自然~2種類のホタルの共存~

暗くて分かりづらいですが水辺ですね。

湊和雄さん「日没から約30分。少しずつ数が増えてきました。空にはまだ明るさが残っていますが、闇の中にピカピカと点滅しているのが分かりますね。専門的には「点滅」ではなく「明滅(めいめつ)」と呼びます。

明滅!初めて聞きました。

湊和雄さん「さらに数が増え、日没から40分頃がピークでしょうか。ここは小さな川ですが、沖縄本島で見られるホタルは本土のゲンジボタル、ヘイケボタルのように幼虫が水中生活を送りません。陸上生活者なのです。そして水中の巻貝ではなく、カタツムリを食べています。しかし、川の周辺は湿気が豊富で、カタツムリも多いので、やはり小さな川の周辺で見られることが多いのです。さらに川の流れの上には開けた空間が広がっているので、撮影に適しています。」

撮影がし易いということですか?

湊和雄さん「(ひとこと)実は、沖縄本島のこの時期のホタルは2種類が同時に出現し、ほぼ同じ時刻に活動します。点滅(明滅)しているのがクロイワボタル。連続発光しているのがオキナワスジボタル。ここではレンズの直前を1匹のオキナワスジボタルがゆっくりと移動しました。」

リュウキュウの自然~2種類のホタルの共存~

だいぶ明るいですね!そして大きい!

湊和雄さん「実際は小さなホタルですが、かなりの明るさですね。」

湊和雄さん「日没から約50分。ホタルの光が減ってきました。クロイワボタル(明滅)が特に少なくなり、少し高いところを飛ぶオキナワスジボタル(連続発光)が目につきます。」

そろそろ姿も見たいですね。

湊和雄さん「これが成虫のクロイワボタルで体長約5mmです。続いては、オキナワスジボタル・体長約7mm。比べてみても非常に似ていますよね。」

リュウキュウの自然~2種類のホタルの共存~

区別がつかないです!

湊和雄さん「2種類とも非常に小さく動き回るのでなかなか動画撮影の難しい被写体です。ちなみに本土のゲンジボタルは、この3倍の15mm前後あります。」

けっこう大きさ違いますね!

湊和雄さん「日没から1時間もすると、ほとんど成虫の活動は見られなくなります。しかし、地面ではいくつもの光っている点が見られます。」

動かない光がそうですか?

湊和雄さん「はい。これはホタルの幼虫のものなのです。」

湊和雄さん「明るくしてみましょう。これは、タテオビフサヒゲボタルの幼虫。やはり陸上生活者でカタツムリを餌にしています。」

湊和雄さん「つづいて、オキナワマドボタルの幼虫。残念ながら、クロイワボタル、オキナワスジボタルの幼虫は見つかりませんでした。しかし、ここには5種類のホタルが生息しているようです。」

リュウキュウの自然~2種類のホタルの共存~

湊和雄さん「SNSや印刷物でも、ホタルの画像はよく見かけることでしょう。静止画のホタルはほとんどの場合、何分間もシャッターを開けたままの特殊な撮影をしているから映えるのです。この静止画も、動画と同じ場所で同じ時間に撮影したものです。4分間シャッターを開けての撮影なのです。」

湊さん、今回も貴重な映像ありがとうございました。以上、リュウキュウの自然でした。