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識者は、「旧日本軍とのつながりを意識させる」と指摘しています。陸上自衛隊・第15旅団のホームページ上で旧日本軍の司令官が自決する前に読んだ句を掲載していることが分かりました。

陸上自衛隊・第15旅団がホームページ上に掲載しているのは、沖縄戦を指揮した旧日本軍・第32軍の牛島満司令官が読んだとされる「辞世の句」です。

沖縄の本土復帰に伴って配備された15旅団の前身である臨時第1混成群の桑江初代群長が本土復帰時に行った訓示に連なる形で掲載しています。

木原防衛大臣は2024年6月5日、国会でホームページの記載について問われ部隊史を基に作成したことを説明した上で、「情報発信の主旨が正しく伝わるよう努める必要はある」と述べました。

日本の防衛政策を研究してきた中京大学の佐道明広教授は、陸上自衛隊が旧日本軍との違いを強調してきた歴史を踏まえ、疑問を呈します。

中京大学・佐道明広教授は「自衛隊はかつての旧帝国陸軍とは違うと遠隔地での急病患者の搬送とか不発弾の処理とか、地道に活動して、沖縄の人たちに時間をかけて受け入れてもらった。15旅団を師団化をするという話しがある中で、自衛隊の存在に対して、地域住民の関心が高まりつつある中で、旧軍との連続性を表に出すのはどうなんだろう。住民のことをもう少し考えたほうがいいのに、住民への意識が欠如しつつある」と話しました。

また佐道教授は、自衛隊と県民の認識のズレについても指摘しています。中京大学・佐道明広教授は「世代も変わってきている。沖縄戦の悲惨さとか、沖縄に住んでいる方々が、どんな思いで平和教育をやっているのかということとはだんだん距離が空いてしまっている」と述べました。