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今後の県政運営を左右する県議会議員選挙の投開票まできょうで1カ月となりました。選挙に向けた動きも徐々に活発となる中、選挙のたびによく目にする「あるもの」についてお伝えします。皆さんが街中で見かける「あれ」、実は違法かもしれません。

先月行われた、衆議院東京15区の補欠選挙。その中で、街頭演説の妨害などの問題が起こり物議をかもしました。この問題を通して、公職選挙法の改正に向けた動きが出るなど「公平・公正な選挙」のあり方が問われました。

「公平・公正な選挙」のあり方をめぐっては沖縄でも以前からある問題があります。それは「違法なのぼりやポスター」です。県内では選挙が近づくと、街のいたるところで名前が大きく書かれたのぼりなどを目にしますが、これらは公職選挙法で違反とされているんです。

県議選まで1カ月 街で見かける「あれ」違法かも

県議選も目前に控える中、取材をしてみると至るところに違法と思われるのぼりなどが掲げられていました。県選挙管理委員会によると、前回2020年の県議選では3822件の撤去命令を出したということです。

県選管・当山尚幸委員長「(沖縄は)九州各県に比べても選挙違反の違法文書図画等の掲示が多い」「原因は何かというのは難しいところはあるが、一生懸命選挙運動をやるということもあるんでしょうが、なにが違反なのかということをよく知られていないんじゃないかと」

県議選まで1カ月 街で見かける「あれ」違法かも

こう話すのは県選挙管理委員会の当山尚幸(とうやま・なおゆき)委員長です。県内で違法なのぼりやポスターがなくならない状況を受け県選挙管理委員会ではこれまで選挙の告示日以降に行っていた撤去命令を2021年から告示日前にも行うなど取り締まりを強化しています。

また、どのようなものが違法になるのかを周知するため動画を作成するなど啓蒙活動も行っています。その効果もあってか、取り締まり強化以降の選挙では違法なのぼりなどの数は減少してきています。

県議選まで1カ月 街で見かける「あれ」違法かも

それでも無くなったわけではない違法な掲示物。どうしてなくならないのか、ある立候補予定者は次のように話します。

立候補予定者「他の候補がのぼりを出しているのに「なんで出さないんだ」と支援者などに言われることもある」

またある陣営の関係者はのぼりの必要性を次のように話します。

陣営関係者「投票率も下がっている中、のぼりを使って名前をアピールすることは必要」

県選挙管理委員会は、ルールにのっとって「公正・公平な選挙」をおこなってほしいと呼びかけています。

県選管・当山尚幸委員長「ルールにのっとってお互いに選挙を進めないと、それを横紙破りをされるとみんな同じような違反を繰り返すことになる。なんのために法律をつくったかわかりませんから。ルールにのっとった選挙が公平公正な選挙かと思う」

記者解説


県議選まで1カ月 街で見かける「あれ」違法かも

ここからは船越記者とお伝えします。船越記者「選挙の時ののぼりなどは沖縄では見慣れた光景といえるかもしれませんが、実は違法なものもあるということで名前が書かれたのぼりやポスターについて具体的にどのようなものが違反にあたるのか県選挙管理委員会が作成したチラシをもとに見ていきたいと思います。」

船越記者「できないものとして大きく4つあります。1つ目は、道路などに氏名等を記載したのぼり旗の掲示すること。2つ目は、住宅などの私有地に氏名等を記載したのぼりを掲示すること。中には自分が応援する候補者の名前が入ったのぼりを自分の家の敷地内などに掲げている方もいるかと思いますが、これも認められていません。」

「3つ目、これもよく見かける光景ですが、街頭演説の際に、氏名等が記載されたのぼりの掲示もできません。これら3つは選挙がいつ行われるのかに限らず、行うことはできません。」「ポスターについては少しルールが違っていて任期満了の日の6カ月前から選挙期日までの間、候補者の名前などを記載したポスターは掲示できません。つまり、6カ月前までなら掲示はできますが、県議選については、投開票まできょうで1カ月なので掲示はできないことになっています。」

船越記者「もちろん、これらはあくまで「公職選挙法」のルールであって、掲示が認められているものであったとしても道路や電柱、私有地などに許可なく掲示することはほかの法律やルールに反することにつながります。」

細かくルールが決められているんですね。

船越記者「一方で、すべてが禁止されているわけではなく、認められているケースもあります。例えば、選挙事務所などにおいては決められた数や規格を守っていれば、掲示が認められていたり、演説会場では、演説会の開催中に限り、掲示が認められています。」

県議選まで1カ月 街で見かける「あれ」違法かも

船越記者「最近、候補者と政党の党首など、複数の人が掲載されているポスターやのぼりを目にしたことありませんか?では、このようなポスターやのぼりの掲示は違反なのもか、あるいは認められているかどちらだと思いますか。」

船越記者「正解は「認められています」厳密にいうと、「今の時点では認められている」が正解なんです。これらのポスターは「選挙運動」としてではなく、「政治活動」のものとされていて、掲示は認められています。

県議選まで1カ月 街で見かける「あれ」違法かも

船越記者「実際にこれらの掲示物をよく見ると、政党などが主催する「演説会の開催」という内容が書かれていたりします。

船越記者「しかし、告示日以降はこれらの掲示物も「選挙運動」のものとみなされ届け出をした時点で撤去しないといけないということなんです。

今後の沖縄のために「公平・公正な選挙」が行われるよう候補者だけではなく、支援者、そして我々有権者もしっかりルールを把握して必要がありそうですね。船越記者でした。