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20日に開幕する高校野球春の大会に向けて、冬のトレーニングに励む学校を紹介します。去年の秋の県大会で優勝した興南は県内初の人工芝グラウンドへのリニューアル工事中。限られたスペースの中で実戦への意識を高め、春の大会に臨みます。

新・3年生30人を中心に、2学年59人の選手が汗を流しています。興南高校は去年秋の県大会で優勝しましたが、九州大会では1回戦で佐賀の唐津商業に敗れ、14年ぶりの春のセンバツ、甲子園への切符をつかむことができませんでした。

興南 久高学士副将「九州大会行くまでにやることはやってきたつもりだけど1回戦で負けてしまって。まだ九州の壁は越えられないと感じた」

2年ぶりの夏の甲子園へ。まもなく始まる春の県大会で優勝、そして九州大会で雪辱を果たし勢いをつけるというビジョンを持って冬のトレーニングに励んでいます。そんな興南に心強い環境の変化が…

メイングラウンドの外野とファールゾーンが県内で初めて人工芝になります。内野には甲子園と同じ黒土が使われるようにもなり、去年6月に取材に行った時から大きな変貌を遂げていました。

水はけがよく、雨が降っても整備にかかる時間が短縮できるだけでなく、スプリンクラーを設置したことで砂ぼこりが舞う心配も減り、より野球に集中できるようになります。

高校野球 興南の『冬トレ』県内初の人工芝グラウンド完成を待ち戦う春

久高学士副将「環境がよくなるということで今までは水取りの時間があったけど少しは省かれて練習が長くできるので良いと思う」

しかし、完成予定は今月末。20日に迎える春の大会の開幕には間に合わず、大事な冬トレ期間である去年12月からの3カ月にわたり、メイングラウンドでの練習ができていません。それでも、、

興南 我喜屋優監督「僕の考えは北海道より良いじゃないか(北海道は)半年間冬でしょ。野球というのはゲームは広いグラウンドじゃないとできないけど個々の動きはいろいろな空間が見つかれば十分」

今年のテーマは「知恵と工夫」。これまでよりも細かく班を分け、校舎の前や室内練習場など限られたスペースを活用して、頭で考える野球を練習から実践しています。

興南 久高学士副将「練習の中でもいつも毎日決勝戦にいるような緊張感を持ってやっていこうと思ってやっている」

反復メニューが多くなる分、それを選手個人がどう生かすかによってチームの成長速度が大きく変わるという考えです。「今までよりも飛びにくくなった」新基準バットについては…

高校野球 興南の『冬トレ』県内初の人工芝グラウンド完成を待ち戦う春

興南 我喜屋優監督「芯に当てて腰を据えて振れば打球は一緒。金属のせいで粗い試合が続いていたので守備を中心に引き締まったゲームになると思う」

これまで以上に「質の高い守り勝つ野球」がキーポイントになると分析し、少ないチャンスを確実に手にするバッティングと、精度の高い守備を身に着けるべく、下半身強化を中心に基礎固めに取り組んできました。

興南 久高学士副将「去年は春も夏もあと一歩のところで甲子園を逃している。今まで以上に質の高い練習ができると思うので一日を大切に質を高めた練習をしていきたい」

「より良い野球環境が整う」。その真のありがたみを感じる冬を越え、心身ともに一皮むけた興南の選手たちは、夏への弾みをつける春に向かっていきます。