ダムの貯水率が低下し続けているていることを受けて人体への有害性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」対策で停止していた沖縄本島中部の水源から2月11日に取水を再開することを正式に決めました
沖縄渇水対策連絡協議会・河南正幸会長「給水される水の安全が今後も確保されるようにきちんと万全を期していただきたいとお願いしておきたいと思います」「PFASが検出されている水源から取水については不安の声もあるようです」
沖縄県企業局や国、那覇市などでつくる渇水対策連絡協議会で中部水源の取水を2月11日から再開することが正式に決まりました。
北谷浄水場から水の供給を受けている市町村などから了承が得られていたこともあって、2月8日の協議会でも異論は出ませんでした。今後もまとまった雨が降ることは期待できないため渇水対策連絡協議会の河南正幸会長は「ダムの貯水率は依然厳しい」と述べ、県民に節水への協力を呼びかけました。
沖縄県と国が管理する11カ所のダムの貯水率は2月8日時点で50・9%と平年値を26・6ポイント下回っています。
アナウンサー解説 水不足 これまでの対応
この時期には異例ともいえる水不足が深刻さを増しています。県企業局は去年12月24日に海水を淡水にする施設の運転を始めました。およそ3週間後の1月13日には施設を「フル稼働」させています。
それでも水不足が続くため、今回、PFAS汚染問題の対応で止めていた「中部水源からの取水再開」が決まったというわけです。取水を再開する3カ所のうち嘉手納井戸群(かでないどぐん)と天願川(てんがんがわ)は準備が整っています。ただ、長田川(ながたがわ)では、現在、取水ポンプ場の工事が行われているため取水再開は来月上旬になるということです。
それでも、水不足が続いてダムの貯水率が過去10年で最も低かった「44・3%」を下回るようなことになれば、嘉手納基地の近くを流れる「比謝川(ひじゃがわ)」からも取水することになっています。
ただ、比謝川では、毎月の測定でPFOSとPFOAの合計値が1リットルあたり「100」ナノグラムと国が定めた暫定指針値を大きく超えているため県企業局としては「比謝川から取水再開を避けたい」と考えています。