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琉球大学の研究グループは沖縄本島南部や久高島の海岸で見られる大きな岩の塊について戦争の爪痕を現代に伝える物言わぬ語り部であるというこれまでの見解を覆す新たな研究成果をまとめました。
琉球大学工学部・仲座栄三教授「リーフ上に見られる大きな岩塊が、自然の作用によって発生したものではないということ。そして、(岩塊の)発生した要因が、単なる小さな規模で起きたものではなくて、大規模な爆発のようなもので発生したものであるということがわかった」
琉球大学工学部・仲座教授のグループは沖縄本島南部の米須海岸や久高島の海岸沿いでリーフの上にある大きな岩の塊は沖縄戦で”鉄の暴風”と言われた艦砲射撃で砕けてできたものだという研究結果をまとめました。
台風に伴う高波でできたものだとこれまで考えられてきましたが仲座教授のグループがリーフに残った弾痕や波が岩に及ぼす影響を実験で推定するなどした結果、大きな岩の塊は台風ではなく砲弾の炸裂によるものだという結論に至ったということです。
仲座教授は海岸に点在する大きな岩の塊を「沖縄戦の石」、リーフに空いた大きな穴を「沖縄戦の弾痕」と名付けて、戦後80年を迎えようとしている今、「沖縄戦時の艦砲射撃の激しさを物語る戦争遺跡として平和学習につなげていきたい」と話しています。