一歩間違えば取り返しのつかないことになるという「飲酒運転の怖さ」を身をもって感じてもらおうと宜野湾市(の自動車学校)で体験会が開かれ、アルコールが体に及ぼす影響について学びました。
「ポールに当たってしまいました」バックで止まり切れなかった車に押し倒されるポール。車線をはみ出す車「完全に車線をはみ出していきましたね」左折する時に膨らみすぎて反対車線にはみ出す車。)酒を飲んで運転するとどうなるのか体験教室が開かれました。
宜野湾市の自動車学校には、市や企業の職員・米軍関係者などが集まりました。参加者の手には、ビールやハイボール、泡盛など各種アルコールが握られています。ピザやパンなど、おつまみも用意されていて、およそ1時間にわたって飲み食いする時間を過ごしました。
濱元記者も実際に参加して飲酒運転を体験です。ビールを1缶、ハイボールを2杯、飲みました。呼気検査をした時のアルコールの数値は、基準値の2倍です。このまま運転すると「酒気帯び運転」で逮捕されてしまうような状態でした。
濱元晋一郎記者「運転に支障はないような気がしています。これから実車していきたいと思います」
アルコールが運転に与える影響を体感するため、車に乗って教習コースを走ります。どんな運転だったのか、同乗する自動車学校の教官に評価してもらいます。順調に運転しているように見えましたが、アクセルを踏み込んだり、ハンドルを切ったりするタイミングが早くなっていて道路脇の段差に乗り上げるなど、普段、何事もなくできてしまう運転ができなくなっていました。
等間隔に置かれたコーンを左右に通り抜ける「スラローム」ではコーンをひいたことに気づくことができませんでした。(仮にコーンが人だったと考えると、大きな事故につながっていた可能性があります。)
教官「お酒が入ってしまうと、ぶつかったのも自分自身で気づけていない、ぶつかったんですか?っておっしゃっていたのでその辺ですね」「集中力がなくなっているのも感じましたね」「実際に路上に出てしまうと、人や車にぶつけてしまうと取り返しがつかないのかなと思いますね」
県内の飲酒運転の摘発は、今年に入ってこれまでに1161件にのぼりました。今月に入ってからは18日時点で139件と、単純計算で一日に7件起きていることになります。「酒気帯び運転」は3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。さらに、一定期間運転ができなくなったり、免許が取り消される場合もあります。
参加者も同じように飲酒運転をしてみると、スピードを出しすぎたり、車をぶつけたりするなど、アルコールが運転に悪い影響を及ぼしていることがわかる結果となりました。
参加者「始めはできると思ったんですけど、車の前の感覚とか全然わからなくなってしまって」「全然(ポールなどに)当てていないと思ったけど、ほぼ当てていました」
参加者「(飲酒運転をすると)障害物に接触したりしたので、やはり飲酒運転をしてはいけないと改めて感じた」「ポールが人だったら大変なことになりますので」
宜野湾警察署 交通課長「一杯飲んだことによって悲惨な事故を起こしてしまった人が県内にもいますので、少しでも飲んだら絶対に乗らないという意識はみなさん必要かと思います」
大丈夫だろうという安易な気持ちでハンドルを握ってしまったことで取り返しがつかない事態を招かないよう、酒を飲んだら絶対に運転しないというドライバーとして当たり前の心構えが求められています。
飲酒運転に関連するニュースのなかで「 抜けたと思った 」というフレーズをよく耳にすることがあると思います。酒を飲んでからどれだけ時間を空ければ、体の中のアルコールが分解されるか、理解しておく必要があります。
「ビール500ml」や「7%のチューハイの350ml」を1単位といって、おおよそ体重60㎏の人が1単位を分解するのに約4時間かかるとされています。例えばビール3杯を飲むと12時間はアルコールが体内にあり続けるということです。
自分や周りの人の人生を壊さないよう、適正な飲酒を心がけるとともに「飲んだら乗らない」を徹底しなえればいけません。