ここからは特集です。なにやら沖縄だからこその新しい食材に関する話題なんですよね?
料理の味を引き立てるその食材には味のない『食用の藻』と活用の幅が狭い『泡盛粕』が使われているんです。開発したベンチャー企業を山城アナウンサーが取材しました。
これが特集のカギを握る『藻』か~食べられるのか~
株式会社AlgaleX 高田大地社長「山城さん!大事なのは藻と、この泡盛粕なんです。藻と泡盛粕が出会ったことでおいしい藻『うま藻』ができました」
2年前にできたAlgaleX(アルガレックス)は独自の発酵技術で藻から新しい価値を生み出すベンチャー企業です。
うるま市にある研究室では、藻に泡盛粕を食べさせてうま味を多く含んだうま藻という食材を作っています。サラサラとした黄色のパウダーです。
山城アナウンサー試食「お~魚介の香りがしますね」「魚卵やカラスミに近い味がしますね」
なぜ『藻』だったのか?高田社長の前の職場での経験にありました。
株式会社AlgaleX 高田大地社長「昔総合商社にいまして、養殖のエサとなる(天然)魚を海外から大量に持ってくるチームにいましたので、どれだけアンサステイナブルなことをしているのか」
天然の魚に代わる養殖のエサを作り出せれば水産資源を守ることに繋がると考え、当時の同僚と移住してきました。うるま市の研究施設がどこよりも充実していていたことが沖縄で起業する決め手だったといいます。
「魚を減らさずにDHAを作れないか」そこでDHAを豊富に含む石垣島などのマングローブに生息する種類の藻に注目しました!
株式会社AlgaleX 高田大地社長「(藻の)味自体は全然おいしくない。なんですが、うちのうま藻だけは泡盛の粕で育てたらたまたま美味しくなった」
ビール酵母なども試しましたがなぜか泡盛粕だけが美味しい藻を作ったんだそうです。
株式会社AlgaleX 高田大地社長「(泡盛には)特殊な酸が入っていまして、それが藻の中に入ってうま味成分に変わっている」
泡盛粕と藻をこちらの機械を使い独自技術で約40時間培養したものを乾燥させて8キロほどの藻のパウダーができあがります。
新里酒造 新里健二社長「最初は半信半疑だったんですが、魚のような出汁が出来上がる。びっくりしましたね」
研究室から徒歩6分の場所にある新里酒造の泡盛粕を使用しています。食品廃棄物である泡盛粕の新しい使い道を模索していた時うま藻の話がうまく舞い込んできました。
新里酒造 新里健二社長「うまくタッグを組んで、うま藻が世界へ羽ばたいてくれたらうれしい」
「ヘルシービストロりゅうさんち うるま市(完全予約制)」
うるま市にあるレストランではカレーやヴィーガン料理などにうま藻が使われています。
ヘルシービストロりゅうさんち 加藤龍如シェフ「うま藻自体が本当にうま味の塊みたいなものなので、どんな料理にも結構合わせやすい」
実はうま藻の実力は認められていて、うるま市のグルメグランプリで優勝を飾りました。
うるま市グルメグランプリ優勝 うま藻スパイスカレー 試食
山城アナウンサー試食「鼻から魚介の風味が抜けるんですが、うま藻でだしに深みがでていて一気に味に深みが出ています」
ヘルシービストロりゅうさんち 加藤龍如シェフ「スパイスの複雑な部分とチキンベースのおいしさと野菜の出汁も入れているのですが、うま味がいっぱいあるのでまろやかに感じてると思います」
うま藻は現在、ECサイトのみで販売していますが昆布などと並ぶ食材として多くの人に知ってもらうことで販路拡大に繋がるはずです。
株式会社AlgaleX 高田大地社長「海を守っていきたいとか、おいしいものを伝統をつなげたいとか、そういうことに取り組んでいるシェフの皆さんにちゃんとうま藻っていいものですよと知ってもらって、おいしい藻という今までなかったものがちゃんと美味しく食べられますよという指標をしっかりつくっていきたい」
うま藻が拓くサステナブルな社会世界へ羽ばたく日もそう遠くはないか藻?
取材した山城アナウンサーによると、植物性の食材なのでヴィーガンの方も使えますし気軽にDHAをとれることもあり健康志向の方の需要も高まりそうで今後の会社の成長も注目です!
ちなみに家庭のカレーにうま藻を加える場合は最後にティースプーン半分の量を加えるだけでぐっと味が引き締まるそうです!
以上、特集でした!
株式会社 AlgaleX ウェブサイト